*-*Side Masamune*-*


高台をめざし、いつの間にか俺たちは単騎がけのような感じになっちまっていた。
まぁ、あの大量の地雷の中を二人乗りで回避できるわけはねぇな

だが、いた。


そびえたつ崖の先に、一つの影。



「一気に行くぜ!Are You ready?」

「はっは!聞くだけ野暮ってもんよ!」



そう言葉を交わした瞬間、爆発が起きた。
宙へと飛び上がれば、俺たちを見る男。



「テメェが松永か、前に射ちの連中が世話になったようだな。」

「久しぶりだな、いつかの約束通り来てやったぜ…!」



俺と、西海の言葉に目を細めた松永




「これはこれは奥州の竜に西海の鬼まで…」



そしてなんの関心もない、といったようにそういいゆるりと俺たちに背を向けた。
周りに、小十郎の姿も…幸の姿もねぇ


ただ、あるのは、奥に小さな小屋



「あぁ、そうだ、

 申し訳ないのだがここに右目の旦那はここにはいない、



 




 いるとするならば。」




なんだ、と…一瞬固まってしまったが、
その瞬間、目の前に突き出された銀の刃。



「っ!?」

『また会ったな、独眼竜。』



ずっと探していた紅が、俺の目の前にいる。





「幸…っ!?」



「竜の兄さん!!」



その刃はまっすぐ俺を射抜こうとし、回避するために体を傾ければバランスを崩し宙へと投げ出された。

西海の言葉が聞こえるが、それよりも先に刀を抜く。



ガキンッ!




槍と、刀が合わさる。
ゆるりと幸の眼が細められた。





『貴様は相当、能力が足りないようだ』







私の名は、麒麟だというているだろう





そういった幸の眼はひどく闇に包まれていた







かつての、俺のように


執筆日 20131211



戻る/しおり



×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -