爆音が聞こえる。
壁に寄りかかってそれを聞いて…ゆるりと瞳を開けて、そして音のするほうを見れば上がる砂煙、
崖のギリギリに立つ松永は笑っているが、その後ろ姿は満月に照らされて逆光を浴びている。
「卿からは、希望をもらおうか」
『…』
記憶の片隅にある男。
その情景と重なったが、過去のことにあまり、興味がない。
だが、
複数の肥爪の音。
けれど、2機だ。「
「卿は竹中に何か言われているのかね。」
『…秀吉様の出陣に邪魔を入れるなと』
「ならばやはり二槍用意しておけばよかったか」
ふむと、一度うなずいてから彼は口元を上げた。
「卿に、いいことを教えようか、
何、卿の主である豊臣秀吉を助けることにもつながる」
『…何?』
そして、そんなことを言って
やめて…っ
執筆日 20131126