6本の刀を鞘に納めて目の前の男を見る。
たとえ、あの女の行方を捜したくても、できねぇ現状に若干苛立っていればいきなり馬を貸せなど意味の分からない連中に絡まれ、そんで闘ってみりゃぁ、目の前の男は自称海賊
案の定、海賊だったわけだがな
「鬼ヶ島の鬼がなんだってこんなところでヒッチハイクしてやがる」
「っは、言うなよ」
肩に担いだ碇槍をどすっと地面に突き刺した。
そしてそれに足をかける。
こいつの婆娑羅は炎。
しかも槍と来た。
そしたら思い出すのはあいつだけで
「ま、ありてぇにいやぁ背水の陣
大枚はたいた要塞をぶっ壊された落とし前と捕まった子分たちを取り戻しに行く
目指すは、あんたと同じ大阪よぅ」
そういって口元を釣り上げた長曾我部に、俺の口元もあがった
「そういやぁ、あんた甲斐の虎姫と好敵手だったんじゃねぇのか?」
「…あぁ、そうだが」
「豊臣に、いたぜ、」
「!?」
だが、言われた事実に目を見開いて振り返る。
驚いたように俺を見ている長曾我部。
「知らなかったのか?」と眉を寄せられた。
「あれだ、ほら、麒麟とかいう…黒いやつ。」
「麒麟…だと…」
「ほんとに知らなかったのか?」
「…っ!」
『・・・「お初に]
お目にかかりまする奥州筆頭殿・・・。
私は豊臣軍騎馬隊隊長麒麟にございまする』
あいつは、どんな思いで…あの言葉を紡いだんだ…
「っ幸」
なぁ、なんで…
執筆日 20130919