08
(21/45)
不治の病だという。
腕の包帯をといて、それで、納得した。
詳しいことなんて分からないけれど・・・この時代じゃ、絶対に治すことは出来ないだろう。
火傷のようにただれ、そして、白い膿がたくさん。
私の推測だけれど・・・これは梅毒か・・・それともハンセン病か・・・そこら辺の類。
『スイマセン。・・・私には・・・』
救えない・・。
分かりきっていること・・・
呟くようにそういえば、大谷さんは独特な笑いを披露してくれた。
「主に治して貰おうとは思っておらぬ。
我は主に協力して欲しいのよ。」
『・・・協・・・力・・・』
「我を一日でも長く生かす、協力を・・・。」
そして言われた言葉に、驚いた。
普通なら治せというであろう言葉を軽く、一日でも生かせといった。
それは、痛みと戦う覚悟が出来ているから。
『それは、勿論協力します。』
「ヒヒ、良い返事よ」
『救えない私を、赦して下さい・・・。』
*-*百聞一見*-*
(にしても、おっと化け物みたいな女かと思ったぜ・・・)
(本田忠勝のような重装備かと思っていましたが・・・)
(・・・)
(それ、弥月の目の前で言うなよ?)
(ほう、面白い話よな)
《そうですか?》
(三成がケンカを買ったか、やれ、ゆかいゆかい)
双竜と蝶は気がついた
まだ、猫は気がつかない
執筆日 20130226
戻//進
表