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「Hey Girl!お前がcrazycatか?」
固まった、
石田様に新しい包帯を巻かれているときに、かけられた声。顔を上げれば蒼い着流しを着ている右目に眼帯をした男。
腰には一振りの刀。家康は、もう一人の人と話している。
・・・っていうか・・・
『crazycatって・・・私は正常ですし、人間ですが。』
気の狂った・・・狂気の猫だなんて、初対面の人間に失礼だ。
なんて心の中で悪態をつく。目の前の男はきょとんっとしたが新しいおもちゃを与えられた子供のように目を輝かせた。
っていうか・・・この時代に英語ってあるんだっけ・・・。
「お前、南蛮語わかんのか。」
『あ・・・』
あぁ、コレは墓穴を掘ったのだろうか、手元の包帯が少しゆるくなる。
「My name is Masamune Date.What your name?」
『豊臣軍・田沼弥月です。』
「No、ノリが悪いぜ。」
だがしかし、あんまり英語…(いやここじゃ南蛮語か)を使わないほうがいいかもしれないという私の独断で、普通に言えば、ちっと舌打ちをされた。
手元の包帯のほうが気になるのだが・・・。
『南蛮語は必要なときだけ使います。今の日の本の状況ならば暗号にも活用できるゆえ。』
「Hum・・・まぁいい、俺がアンタに剣のTeacherになってやってもいいぜ?」
けれど、まぁ、そう言って、私のほほに手を添えて顔を上げさせた。
スッと目が細められる。まるで試すような、そんな目。確か奥州、伊達政宗は三日月を兜に掲げていたか。好奇心に満ちたその目に、ため息をつきたくなった。
「・・・貴様、」
「Ah?どっかの誰かさんはこのKittyに剣を教えねぇんだろ?だから俺がTeaterになるっつってんだ。」
「・・・なんだと・・・?」
包帯を巻かれていた手がとうとう離れ、縁側に置かれた。
うわ、離れたほうが良くないか・・?
「弥月は元々、蘭学を学んでいる軍医だ。無駄なことは必要ない。」
「Why? せっかくもってるabilityを無駄にするなんて勿体ねぇ、それにアンタも見たろ? アレは戦場にこそあるべき姿だ。」
「だったらなおさらだ。私よりも弱いものに弥月を任せるわけにはいかない」
「はっ、ならPartyとしゃれ込もうじゃねぇの。」
あぁ、これ、止めなくてもいいよね?
っていうか結構物騒な言葉が飛んでたけど、私には才能の欠片なんて無いと思います。
執筆日 20130218
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