「はぁ・・・」

目の前にある資料に潰されそうになる
この現実を受け入れたくない。


「どうしたなまえ」

「あ、先輩」

先輩と言うのは福本先輩で
テニス部の元部長であり
副会長で、私の憧れでもあって
好きな人でもある。


「昨日部活やめたんです」

「は?まじで?」

「はい」

「例の件?」

「まぁ」

「大丈夫か?」

「はい、むしろ嬉しいくらいですよ」

大丈夫じゃないけど
先輩に心配させたくないから
私は嘘をついた。


少し後悔していると
ドアが開く音が聞こえた


「失礼します、テニス部の幸村です」

「幸村どうしたんだ?」

「福本先輩に少し聞きたいことがあって」

「今度の試合なんですけど・・・」

「あぁそれは・・・」

関係のない話だったから聞くのをやめ、
私は今月の委員会で使う議案書を
一刻も早く仕上げるよう一生懸命
頭をふりしぼろうとしたがなかなか思いつかない。


するとそこに話が終わったのか
幸村という人が近寄ってきた

「ねえみょうじさん」

「はい」

「どうして部活やめたの?」

「なんであなたが知ってるんですか」

「重野が嬉しがって俺に報告してきたから。」

重野はソフトテニス部のキャプテンであり
私が部活をやめようと思った原因の一人。
むしろそいつのせいだ。

「あぁ、親しいのですか?
 私今すごく気分が悪いので用が終わったなら
 さっさとここから出ていってもらえますかね」

再び私が議案書と格闘しようとすると
幸村くんは私の腕を強くつかんだ

「いたいんだけど」

「俺あいつの事嫌い
 っていうか何も知らないくせしていろいろ
 決めつけるのやめてくれない?」

「そうですか、それについては謝ります。
 でもあなたに私の事は関係ないですよね
 わざわざ聞かなくてもいいんじゃないんですか」

私がそういうと彼は
更に機嫌を悪くしたようで

「俺の事しらない?」

「今は忙しいので。」

「そうかい、じゃあ僕は失礼するよ」


そういう彼はなんだか
楽しそうに笑っていて、
とにかく私にはよくわからない人に見えた。




 
back/bkm

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -