なんたって純情 | ナノ

結局わからないまま





ヌメーレ湿原…
名前の通り、ぬめっとしてる。
やだなー。折角新しく靴買ったのになぁ。


…どんどん霧強くなってる。
ゴンとキルアがあたしをみうしなきゃいいけど。


「ねーちゃん、ゴン、もっと前に行こう。」
「うん、試験官を見失うといけないもんね。」
「さむい…もっとはやくはしろ。」

いや、霧って寒くなる…気がしない?

「そんなことよりヒソカから離れた方がいい。」

「ピエロさん?うーん…」

「?」
「あいつ、殺しをしたくてウズウズしてるから。霧に乗じてかなり殺るぜ」

まぁ、確かにそんな感じだけど…感じるけど…。
まあ、大丈夫でしょ。
あたし、彼に負ける気しないし。ぶっちゃけ。

…わかんないけど。

「なんでわかるのって顔してるね」
キルアは笑顔だ。楽しそー。

友達っていーね。
「なぜなら俺も同類だから。匂いでわかるのさ。」

「同類?あいつと?そんな風には見えないけど」

「それは俺が猫かぶってるからだよ」

あらー、かっこつけちゃってー。
かわいーなー。

「キルアくん、猫かぶってんじゃなくて、猫なんでしょ!」
「なっ、ちげーし!」

うんうん。
よいよい。

「そういえばルキって、最初ヒソカと一緒にいたよね!どういう関係なの?」
お、ゴンが、興味津々というようにきいてきた。

「はぁ?!ねーちゃん、まじかよ!」

「うん、まあーね。うーん…関係…。まあ、一番正確なのは、友達の友達かなー。」

だって、とりあえずまだヒソカは友達とは思ってないし…。
ね。


「ふーん。
レオリオー!!クラピカー!!キルアが前にきた方がいいってさー!!」


ぶっ。かわいー。なんて素直なんでしょー。

「緊張感のないやつらだなーもー。
なあ、ねーちゃん!」
「ねー。ふふ。かわいーなーゴンも」
「なっねーちゃん!!」







「…なんか後ろの方から悲鳴が聞こえるね。」

「うるさいわー」
「ゴン!ぼけっとすんなよ!人の心配してる場合じゃないだろ!」

キルアってば、ゴンのこと心配してるくせにさ。
素直じゃないのー。

「みろよこの霧。前走るやつが霞んでるぜ。一度はぐれたらアウトだ、せいぜい友達の悲鳴が聞こえないようにいのるんだな。」

もーキルアってば、そんな言い方しなくても…。
つっけんどんだなー。



「ってぇー!!!」

あ…レオリオの声、
と思ったらゴンは駆け出しましたね。
素早いこと。


「ゴンっ!!」



いっちゃった。

…あーキルアってば寂しそう。

もう…。

「ばかだよな、あいつ、折角実力あんのに…」

「キルアくん…そんなこといって、心配なくせにさー」
「べ…別に心配なんかじゃねーよ!!」

「…本当?」

あたしは走りながら、キルアの顔を覗き込む。

…顔は真っ赤だ。

「心配っていうか…もったいねーなって思っただけだよ!」

「クスクス…よしよし」

頭を撫でてやると、少し俯いてしまった。
かわいー。


「そーいうねーちゃん…心配じゃねーのかよ?」
「心配?なんで?」

キルアが不満そうな顔で聞いてきた。
なんでだろ。よく意味がわからないな。

「え?だって…」

「あたしが心配すんのは…家族か友達、それに恋人だけだから。」


「ねーちゃん…?」


キルアはすこし怯えているようだ。
…よくわかんないわ。



(ねーちゃんは、…優しいようで、怖いようで…)



まえ つぎ

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