恋連鎖 | ナノ
あたし達は4人で一休みとか言いながら普通に休み時間のような雰囲気で談笑していた。
次第に、対する3-Dの生徒や我らが3-Zのクラスメイトが続々とやってくる。
「あら、お妙と神楽はずっと練習してたの?」
同じバレーボールの出場者である阿音ちゃんがジャージを脱ぎながら尋ねる。その後ろでは同じようにジャージを脱いでボーッとしている百音ちゃんもいた。
「えぇ、まぁね。みんなの足を引っ張りたくないから…」
「大丈夫、みんな貴方を頼りにして練習なんてしてないから」
阿音ちゃんと百音ちゃんと一緒にきたおりょうちゃんがシラッとした顔で言う。
ごもっともだと思うよ。本当に。
「そろそろじゃない?神楽ちゃん」
「えー。もうちょっと結に座っていたいアル」
「そろそろどきなさい」
阿音ちゃんがバシンと神楽ちゃんの頭を叩いて引きずってコートまで運び出す。一気に膝が軽くなったけれど…大丈夫かな神楽ちゃん。今の一撃結構な音したんだけどなー
「お、いい席発見。隣座るね」
「あ、どうぞ。
……………………………え」
衝動で返事しちゃったけど。
「何でここにいるの、神威」
「いちゃいけないの?」
「いやそういうわけじゃないけど…」
突然現れた神威(ジャージ姿)に驚きを隠せないでいるあたし。
身が固まって動こうにも動けなくてどうしたものか。
対する神威はちゃっかり球技大会に参加していて不思議に思った。
―――こういう行事には参加しないキャラだと思ってたんだけどなー…。
なんて。
「そりゃあ仮にも妹が出るんだからね。きっちり見届けてあげなきゃ」
「あ、お兄さんらしいところもあるのね。…っていうか何で分かったの」
「え? だから君のことを好きになっちゃったからー…」
「だから聞いたことあるからその台詞!」
何でいろいろとデジャブるのかなぁ今日は!
「あ? 銀八はいねぇのか?」
次に、そんな風にぼやきながら現れたのは高杉先生。当り前のようにあたしの左隣に座った。
「あれ、高杉先生は何しに来たんですか」
「一応近藤が目を覚ましたからな。銀八いねェみてーだし暇だから俺も見物としようかと思ってな」
「……」
自由だなうちの保険医は。もしも別の場所で怪我人が出たらどうする気なんだろう………。
とにかくそんな感じであたしの隣にはまさに不良と呼ばれる神威君と、モテモテな狼男の高杉先生がいるわけで…これじゃあトイレにいきたくても立ち上がることなんてできない。きっと。