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「ただいまー!ママ!おなかさわらせて!」
ソファへ腰掛ける臨也の元に、ランドセルを背負ったままのデリックが駆け寄る。
「おかえり。きちんと手を洗って、うがいしたらね」
元気良く頷くと洗面所へ走って行った。
「ただいま」
「おかえりなさい」
後から入ってきて小さい声で挨拶をした津軽も洗面所へ向かった。
臨也は二人のはしゃぎながら手を洗う声を聞いて、自らの膨れた腹を撫でる。臨月が近づき大きく膨れた腹に、好んで履いていた細身のパンツは着れず、ゆったりとした黒のチュニックを着ている。



――――――――あの後、静雄は当たり前のように臨也の家に居座った。毎日新宿から仕事へ行き、帰ってくる。これが正しい形ならば臨也も喜ばしかったが現実は辛辣だ。
毎日のように臨也を虐げ、犯し、弄ぶ。
静雄の望み通り妊娠した後もセックスは続いた。子供たちが居ようと、悪阻に苦しもうと。


「おい、さっさと終わらせねぇとガキ共帰って来ちまうぞ」
「んっ・・ふぅ・・・」
ソファに腰掛けて大きく足を開いた静雄は、まだ妊娠初期の悪阻に苛まれる臨也を床に這わせ、フェラチオを強制させる。
「もっと奥まで咥えろよ」
静雄の手が頭を固定し、臨也の喉奥を突いた。
「あ゛っ゛・・ぐぅっ!!」
歯を立てないように大きめに開いた口へ無理矢理侵入したペニスに思わずえずいた。こみ上げる胃液を飲み込み、なんとかペニスを愛撫する。カリから裏筋を丁寧に舐め、睾丸を口に含んで吸いつく。先走りが零れれば先端の窪みに舌をねじ込み、漏らさず吸い上げると静雄の腰が僅かに揺れた。臨也は自分の愛撫で静雄が感じている事に安堵する。
「出すぞ」
短い呟きの後、咥内のペニスが膨張して大量の白濁で満たされる。
静雄に命令されずとも精液を飲みペニスに付いた残滓を綺麗に舐めとった。それに満足した静雄がペニスを抜き取り、臨也の頭を撫でる。
「臨也、口開けろ」
「ん」
臨也は精液を全て飲み込んだかの確認だと思い、ソファに座る静雄に見えるよう上を向いて口を開いた。だが予想外にも咥内へ指が差し込まれる。
「んぅ?」
意味が分からないまま舌の上にある指をフェラチオのように吸ってみるが、そうでは無いようだ。
「悪阻で気持ち悪いんだろ」
臨也が頷くよりも早く静雄の長い指が舌を押さえつけ、喉奥を圧迫した。
「ぐっ、あ゛ぁ゛・・・」
気管に届くほど深く指を入れられ、耐えきれずに口の端から胃液と、先程飲み込んだ精液を溢す。ひゅぅひゅぅと喉から空気の漏れる音がした。
「いい格好だな、臨也くんよぉ」
口から抜いた粘着質な唾液にまみれた指を臨也の頬になすり付ける。
床に這い、己の吐瀉物に汚れる臨也を見て笑った。

すべてはあの子達の為。
それだけを胸に臨也は耐え続ける。

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