*2

「えぃ☆」
「うわっ」
手を振り払った俺はいきなり体当たりされ、横の視聴覚室に雪崩れ込む。派手に倒れて、胸の上にいる甘楽を見る。

「大丈夫かっ?怪我は‥」
上体を起こそうとしたら、目の前が肌色に染まった。
唇に柔らかい感触。
「おいっ!やめろ」
慌てて甘楽の体を押し離そうとしたら、カチャンと右手に冷たい感触。手錠。呆気に取られていると、そのまま後ろに回されて左手にも輪が通された。
「浮気者」
「え?」
「最っ低だね、シズちゃん」
聞き慣れた声。見慣れたナイフ。切っ先が首筋に向けられる。

「てめっ、何やってんだよ!?」
「そっちこそ!!俺が金にもならない仕事してるのに浮気?最悪だよ」
「テメェが無理矢理引きずり込んだんだろ!」
「本当に嫌なら断ればいいじゃん!シズちゃんの力なら出来るでしょ?」
「だから今振り切っただろうがよ」
「遅いよ!こんなビッチ相手にしないでよ」
「意味わかんねー」
「バカなの?死ぬの?」
「バカはテメェだろ。浮気してねーじゃん」
「結果論でしょ?甘楽が俺じゃなかったら浮気だよ」
「いやいや、甘楽が別人でも浮気じゃねーよ」
「は?何開き直ってんの?ムカつく」
「これ外せよ」
「ヤダ。それ特注品だから静雄くんでも取れないですぅ」
確かに力を入れても軋むだけだ。
「あはは!無駄、無駄☆」
ケラケラ笑う臨也を睨みつける。
「やだぁー怖ぁい」
ナイフをクルクル弄りながら女物の革靴を履いた足で俺の肩を蹴る。
「静雄くん、イイことシよ?」
さっきと同じセリフを吐いて、俺を引き寄せキスした。舌を絡ませて貪る。
「ん‥ふぅ」
唇が離れるとき、俺の口元を伝った唾液を臨也が舐めあげる。普段から中性的な顔だとは思ってたが、化粧してる臨也は変な色気がある。ビッチにも見えるし、清楚にも見える。
そんな不思議な顔を見つめてると臨也がニヤリと笑った。
「見惚れた?静雄くん」
「バカいうな」
「ふぅーん」
臨也の指が俺のシャツのボタンにかかる。ゆっくり、俺と目を合わせたまま外される。
レロォと唇を舐められて、そのまま首筋から胸元を辿られた。乳首を口に含まれ、甘噛みされる。
「っ…普段そんなことしねぇくせによぉ…臨也」
「アタシは甘楽だよ。静雄くん」
別に乳首ですげー感じるとか無いが、コイツが舐めてると思うと結構クる。
「くっ…」
「あれ?感じちゃってます?」
「誰が」
「嘘はいけませんよぉ」
膝で股間を押された。
「ほらぁ」
囁いて、耳朶を噛む。
首筋や耳を舐めまわしながらベルトに手をかけ、ズボンを下げられた。
半勃ちのペニスを強めに握られ、痛みに顔をしかめる。
「悪い子はオシオキ」
臨也は椅子に座り、俺の股間を踏みつけた。
「うっ…っ」
「静雄くんもココは痛い?」
革靴でグリグリ踏まれて前のめりになる。
「…テメェ」
「あーあ。萎えちゃったですぅ。かわいそぉ」
「あとで、覚えてろよ」
「アハッ☆じゃ、忘れるくらい気持ちよくしてあげる」

靴を脱いだ臨也の足がまた股間に向けられた。
今度はさっきと違い、やわやわとパンツ越しに刺激される。布が擦れる感触と、うっとりとした臨也の顔がエロくて熱が集まる。
少し硬くなると足を上下に滑らせ全体を撫でられる。
器用に足でパンツを引っ掛けて上を向いたペニスが露わになる。
「ふふっ‥大きいっ☆」
何度も見たろ。今更かよ。
「静雄くんは足でも勃起する変態さんですねぇ」
直接擦られれば悔しいが気持ちいい。靴下に先走りが染みて、ぐちょぐちょと卑猥な音が響く。緩い刺激がもどかしくて腰が揺れた。
「あれー?腰動いてますぅ。イきたいですかぁ?」
「うるせー」
「じゃ、イかなくて良いですね!」
そう言うと胸のリボンを外して俺のペニスの根元をキツく縛った。
余計なこと言わなきゃ良かった。




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