「それじゃあ今日の大まかなスケジュールをお話します。皆さん聞いてください」

寝ぼけ眼なザンザスの隣に座って、コーヒーを啜るスクアーロと目玉焼きの乗ったパン(ラピュタ風)をかじるベルを見た。
ベルは制服。ザンザスとスクアーロは教員らしい服装で身を固めている。よし。


「まず私は皆より一足先に学校へ行きます」

「何故」
「テニス部には朝練というものがありまして」
「フーン。だからなまえジャージなんだ」
「そういうこと」
「サボれ」
「あかん!」

ザンザスがやや不機嫌になったのを気にしつつ先を進める。

「ベルは8時半までに学校に行ってね」
「えーめんどい」
「ザンザス達は職員会議があるから8時には学校に行かなきゃらしいよ。スクアーロ、ちゃんとザンザスつれてってね」
「保証はできねぇ」
「つれてけ」
「…」
「行事的には今日は普段通りだから。あ、ベル、私が部活やってる間亜里沙周辺の女子生徒に聞き込み宜しく」
「スクアーロにやらせろよ」
「んだとぉ!?」
「落ち着いてよもー!スクアーロは教室と屋上と校舎裏、部室裏のカメラメンテナンスね」
「よぉしベル、変わってやるぜぇ!」
「しししっ。やっぱいーや。俺情報収集だーい好き」
「嘘こけガキィ!!」


そうこうしている間に出発の時間になった。
私は荷物を掴んで3人に振り返る。

「じゃあ皆、また後、っでふげ」
「ドカス」
「!」

胸ぐらを掴まれたかと思えば唇にやわらかい感触。コンマ数秒おくれて胸にこみ上げた優しい気持ちを隠さずに、私はザンザスに抱き着いた。

「…っティアーモ!行ってきます!ザンザス」
「フン」

ソーダポップの初恋
「チッ、見せつけやがって」
「しししっ(ボスかっけー)」

top
×