腕の手当をした後は4人でご飯を食べに行った。なんとかっていうビルの最上階のめちゃくちゃ高そうなお店。そこがイタリア料理のお店だっていうのは皆の配慮に違いない。ボンゴレパスタを口にした時うっかり泣きそうになってしまった。

「あ、そういえばさ」

私は部室での事を話した。

「亜里沙が明日ボンゴレと会合があるって言ってたけど」
「ああ…」
苦々しく頷くのはスクアーロだ。
白ワインを呷ってから私に説明してくれる。

「アルギットが9代目に話を持ちかけて来やがったんだぁ」
「え?でも何年か前に同盟決裂したんじゃ」
「しししっ、だからだよ」
ベルがピザを頬張りつつ可笑しそうに話した。みょーんと伸びたチーズがとっても美味しそう。

「…いる?」
「うん」
「しかたねーな。王子優しー」
「ありがと」
「ん。――で、9代目ん時失敗したもんだから『うちは心を入れ替えた。10代目と話がしたい』つってきてるわけ」
「綱吉…」
「そ。だけど9代目は一応断ったんだぜ」

そりゃそうだ。こんな問題が持ち上がってる今、同盟を組む気になんてとてもならない。

「でもアッチも中々引かねーもんだから、9代目が沢田に相談して」
「ええ!?それで綱吉OKしちゃったの?」
「うししし…そゆこと。ま、あいつのおかげで俺達ここにいれるみたいなもんだし?」

今回は感謝だよな。と珍しく…本当に珍しくそんな事を言っているベル。
スクアーロもザンザスも否定しないあたり、間違った事を言ってるわけではなさそうだ。

「会合の場所はジャッポーネ。5月20日午後4時。沢田綱吉本人と独立暗殺部隊ヴァリアーボスの立ち合いの下で行われる、ってシナリオ」
「…!」

成程、と私は素直に納得した。
ボスが動くとなると幹部二人の付き添いは必須だ。(ただし、ザンザスが「嫌だ来るなウゼェ死ね」と駄々をこねて本部が尋常じゃない被害を被る場合は別だ。例えばヴァリアーの屋敷を半壊にするとか。付き添おうとした幹部を半殺しにするとか)今回はそうしなかったらしい。


「ししし!…あいつ場所も時間も、うちのボスつけるってマイナスな条件も出されてんのに満足げに帰ってったんだぜ。かなりウケね?」
「あいつって…アルギットの?」
「そ。現ボス。んでもって鳥居亜里沙のメタボな親父」
「へー…って、ずいぶん知った口だけど、もしかしてベル」

パチンと指を鳴らしたベル。
「うしし!だーいせーかい!俺立ち会ったんだよなーアレ」
深い溜息を吐くザンザスとスクアーロ。え…

何しちゃってんのこいつ!

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