「信じる」 ぽつりと呟いたのは日吉だった。 「…俺達はもう、その言葉を使う価値はありません。」 「…日吉」 「……」 私達を見上げる日吉の目は、ただ、悔やんでいた。跡部はそんな日吉を見下ろし、静かに溜息を吐く。 「……ああ。そうだ 俺達は、確かに一度は信じる者を誤った。」 「跡部部長…」 「だからこそ、尚更、今、決断するべきだ」 ―――もう時間がない。全員、私の計画に乗ってもらう 「なまえ達のことは俺が信用してる」 ―――跡部、これが終わったら、皆でまた笑ってテニスができるようになるんだね 「ジローの求める未来も、俺が信じてる」 「氷帝の未来も」 「お前等の未来も」 「…俺達の勝利も。俺が信じてる。だから、」 跡部の顔に笑みが浮かんだ。絶対的な勝利を確信した、王者の笑み。 「お前ら黙って "この俺" だけを信じてろ!!!」 一致団結 湧き上がる歓声の中、私は呟いた。 「す………っごい俺様(ザンザスみたい)」 「ガキが粋がりやがって」 「しっししし!生意気」 「ああいうガキがなぁ、将来部下殴ったりグラス投げたりする暴君に成り下がるんだぁ!うゴ!!」 「…今のはスクが悪い」 ×
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