屋敷へ戻ると、出迎えてくれたのはなぜかランボであった。
「ふ、ふげーっ」
「がははは!なまえ!おれっちと遊ぶんだもんねー!」
「…巨大なブロッコリーが突っ込んで来たかと思った」
「…」

横にいたザンザスは私が抱き留めたランボをわしっと掴むと、廊下前方に向けてブン投げる。「ぷぎゃー――」という悲鳴はどんどん遠ざかって行った。

「ギャース!ザ、ザンザスあなたなんてことを!」
「知るか」
「じ、児童虐待!動物虐待!ランボちゃーんんん」


「受け取ったぜぇ!!」
鼻面を真っ赤にして涙目なスクアーロが、小脇にランボを抱えて廊下から現れた。どうやら彼は顔面でキャッチして見せたようだ。その後ろから顔を出したのは、なんと綱吉だ。


「お、おじゃましてます…」
「綱吉!」
「沢田。……死にに来たか」
「来てないよ!あ、来てません!」

綱吉が華麗にツッコんだところで、リビングのドアが開いてリボーンが現れた。
「遅かったな」
エスプレッソをたしなみながら「まァ入れ」と入室を促してきた。ああやばいザンザスがプッチンといきそうだ。


「う゛おぉぉおおい!!」
ランボに髪の毛を引っ張られながら、開けっ放しのリビングから飛び出してくるナイフを避けたり、転がり出てきたボムの導火線を断ち切ったり、もう既にのどをからしかけているスクアーロ。今この屋敷で使用人よりも忙しいのは間違いなく彼だ。

「人の家でかっさわいでんじゃねぇえ!!」
「テメェが煩ェ!」
「げっふ…」

その上ザンザスの八つ当たりの対象もこなしちゃうというのだから、今日のMVPはもれなく彼のものだと思う。









お屋敷にいたのは骸と恭弥以外の守護者達だった。
大理石のテーブルの両端にはザンザスと綱吉が座り、こうしてみるとボス同士の対談のようだった。(あながち間違っちゃいない)
仏頂面のザンザスとそわそわ落ち着かない綱吉が席に着いたところで私達もぱらぱらと椅子に腰かけた。スクアーロを完璧にオモチャと認識したらしいランボだけは奴の頭に張り付いたままだ。

「おいアホ牛。串刺しにされるから大人しく俺のとこに来い!」
「そうだぁ!!失せろクソガキ!」
「やーだもんねー!獄寺もしかしてランボさんと遊びたいのかー?子分になるなら、そっち行ってやってもいいもんねー!」
「(ブチブチッ)」
「ハハッ、まあ落ち着けよ獄寺」
「十代目!!なんで、なんでこんなアホ牛連れて来ちゃったんスかっ!!」
「知らないよ…気付いたらバックに詰まってたんだから。」
「アレには極限驚いたぞ!」

…そういうオチか。

「やだもんねー。おれっちカスザメとあそぶんだーっ」
((絶対ザンザスの影響だー!!))あ…今綱吉と心の叫びが被った気がした。

「(ブチブチッ)」
額に見事な青筋を浮かべるスクアーロ。
「しっしししし!!!」
「ウゼェのに気に入られちまったな、スクアーロの奴」
「ハハッ、まあ落ち着けよ」
「落ち着けるかぁ!掻っ捌いてやるこの牛ガキィ!」
「じゃあおれがココに座ればいいだろ?」
「何もよくねぇ!」
「んー?山本もランボさんの子分になりたいのかー??しかたないやつだもんねー」

こうして雨二人がはさんで座る事で、ランボの騒動はひとまず収集した。
使用人さんが全員の前に紅茶やらコーヒーを置いたところで、綱吉が話を切り出す。


「突然押しかけてごめん。でも、聞いてほしい事があるんだ」

訪問者たち

私達は綱吉の話を聞いて、敵が…――アルギットが、思いのほか強大な力を持っている事を思い知ったのだ。

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