「なまえ、お前大丈夫なのか?」 「もー心配しすぎだって」 「アーン?昨日あんな目にあったんだ。するに決まってんだろ?」 「ってかそのタンコブどしたんだC〜」 「ああ、うん、…ザンザスに」 1日経っても腫れが引かないほどの頭突きをお見舞いされた後は、テメェ今ここで貞操観念を正しやがれとザンザスの口から出たとは思えないお説教を延々と頂き、最終的に「仕置きだ」なんて尤もらしい理由で頂かれた。くそ、腰が痛い! 「だが…アイツが怒るのも無理ねぇな」 「ウス」 「そうだねぇ」 跡部達も2日前屋敷に来た時点でスクアーロの仕掛けた盗聴器から与えらえた情報を耳にしていた。(私達がスクアーロの頑張りを拍手で褒め称えていた、あの後だ。) そう、彼らはその時、亜里沙の言葉とは到底思えないそれらを自分の耳で確かに聞いたのだ。 跡部は深い息を吐き手で顔を覆い、樺地はぐっと拳を握り、ジローは白い顔で引きつりながら「チョー怖いC〜」と呟いていた。 しかし、私が彼らに言葉をかけるよりも早く、ザンザスの手のひらに炎が宿った。 ――身の程知らずのドカス共が…カッ消す!!! 「「げ」」 私が跡部と樺地の腕を掴んで地面に伏せ、ベルがジロー諸共ソファの向こうに倒れ込んだ時、私達の頭の上をザンザスの銃口から炎大噴射。 ベルとスクアーロが「落ち着けぇボスゥゥ!!」とザンザスを止めにかかったのを見て、私は3人を連れて談話室から転がり出た、というわけだ。 「あの時はザンザス先生、めちゃくちゃブチ切れてたね〜。おれついに死ぬかと思ったC〜」 「あー、本当ごめんね、あの時は、とんでもない目に」 跡部も思い出したらしい。 顔を引きつらせて首を振った。 「愛されてる証拠じゃねぇか」 「…そうだね」 「ハッ、幸せそうに笑いやがって」 「な、そ…そんなんじゃ」 「キミ、苗字なまえチャンだよネ?」 後ろから声をかけられたが、私は振り返らなかった。気配の数を数えてみると、軽く10を上回る。 オッカシーな…もうあのいかがわしいサイトに私の個人情報は載ってないはずだけど。 「無視していいのか?何か言ってるぞ」 言いつつ跡部も振り返らない。 「いーよ」 「結構数いるC〜」 「大丈夫、ここ人通り多いし。何もしてこな、…!!」 私が飛び退くと、大きく空ぶったバッドが電柱にぶつかった。 私が避けた事に驚いたらしい。バッドを握る男の顔が驚愕に染まった。 「なまえ!!」 「なまえ!クソ、樺地!」 「ウス」 「げっふぅ!」樺地によって沈められた男。私は深く溜息を吐いて、背後の男達に向き合った。 (昨日追ってきた連中とはどうも雰囲気が違う) 「キミがどうしても欲しいんだ!」 …雰囲気違わない奴いたわ。 Q・しつこい男は? (ブサメンに限り)嫌われる。 え?ザンザス?やだ、ザンザスにしつこくされたって別に嫌じゃないよむしろ嬉しい。うん、美形ってサギだね ×
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