「驚きましたね、九代目。」

側近の男の言葉に、九代目、ティモッテオは薄く笑んで頷いた。
先程の会合を終えて閑散とした室内には、ティモッテオと、その側近と、カップを回収して回るメイドがいるだけである。ティモッテオは、さっきまでその少女がいた場所をじっと見つめた。





「傍に居て安心できる相手……。それは、私が安心して、命を預けられる相手ということです、よね?」

それならば、と少女は言うのだ。


「私はザンザスさんに助けてほしいです。」

言い切ったなまえに会議室全体が一瞬の沈黙を守る。少女は決意のこもった目をしていた。
XANXUSはなまえの言葉とほとんど同時に腰を上げていた。彼の部下二人も、その後すぐに。

「そういう事だ。残りの些事はてめぇらで好きに決めろ」

「ど、どこに行く気だ!?会議はまだ」

「もうここに用はねぇ」


さっさと会議室を出て行くXANXUSにスクアーロが続き、ガシっとなまえの首に腕をひっかけたベルフェゴールが続いた。





「まさかあの子自らXANXUSを選ぶとは」

「XANXUSにはその確信があったようじゃがな」

「そ、そうでしょうか」

「フフ…見たじゃろう。あの、自信に満ちた顔」

ティモッテオは息子の些細な変化を決して見逃したりはしなかった。そして、XANXUSを信頼しきっていたなまえと、それを当然のように思っている様子のXANXUSを、なぜか嬉しく思うのだった。

(頼んだぞ、XANXUS…!)

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