場所は変わって神龍寺高校。
昼休みに乗じて二年の教室に忍び込んだ一休は、目当ての人物を見つけるとさっと駆け寄った。
「雲水さん!」
「うお、何だ、一休か。驚かせるな」
「それより聞いてくださいッスよ!昨日俺鬼スゲーもん見ちゃったんですって!」

一休が嬉々として話すには、阿含がわざわざ昨日の放課後に学校に来て、自主練をして帰って行ったというのだ。
俄かには信じがたい話である。
「テスト週間で部活が休みだっていうのにッスよ!?あの!阿含さんが!」
「幻覚じゃないのか?」
「まさか!!しかも何か鬼機嫌良さそうだったんスよねー」
「……というか何でさっきから小声なんだ」
「え、阿含さんに聞かれたら事ッスもん」
「あいつは午後から来るらしい」
「………フフン。ということで雲水さん」

一休の笑顔に、限りなく嫌な予感を覚える雲水。


「今日の放課後は阿含さんを追跡しましょう!!」

(最近の奇行の原因をこの目で確かめるんスよ!)
(奇行って……。)

 

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