ガタタン、ゴトン、と電車に揺られながら一駅先の駅を目指す。夕方の電車は混み合っていて私は阿含さんの隣で低めの吊革につかまっていた。


「はー!今日のパフェとっても美味しかったですね!」
「あ?そうでもねェよ」
「え。阿含さんが美味しいって連れてきてくれたんじゃないですか」
「忘れた。」
「さいですか……。それにしても本当に美味しかっ、」


感じた違和感は、一瞬で確信へ繋がった。
「…っ」


自分以外の第三者の手はスカートの上から、間違いなく私のお尻を撫でつけていた。
気のせいと片付けるには無理がある。
咄嗟に阿含さんに助けを求めかけたが、キレた彼が車内で暴れ出す光景が易々と目に浮かび、私は口をつぐんだ。

ハアハア、と背後から耳元に吐息がかかる。
私のお尻を撫でまわす手は、私が声を上げないと分かると更に大胆さを増した。するりと太腿を撫で上げながらスカートの中に、

「殺すぞ。」

 

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