阿含さんから呼び出しがかかったのはその日のお昼頃だった。
ようやくできたクラスの友達と一緒にお昼ご飯を食べていたら携帯がウ゛−と振動し始めた。
「ぎょえー!」
画面を見た私の第一声がそれだ。

「ちょ、なまえちゃんどうしたの!?」
「ま…まさかヒル魔!?」
「ち、ちがうよ……(恐怖度は)似てるけど」


私は恐る恐る通話ボタンを押した。

「も、もしも」
『よォ、カス』

阿含さんはドスの効いた声で開口一番そう言って、たぶんあちら側でニヤリとした。

『今日4時、カインズタワー前』
「え…」
『遅刻したら殺す。ヒル魔にチクっても殺す。アイツが絡むと面倒だからな』
「あ、の…阿含さ」

『クク…俺の事、たーっぷり教えてやるよ。
じゃあ後でな。』

プヅ、ツーツー…

 

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