短編 | ナノ
意地っ張りな二人への5題:カリファ

バーンと激しい音を立ててドアが開く。
いったいどれだけの力で開けたのか、蝶番がみしりと軋んだ。

「カリファ、乳揉ませろーっ!!」

「間違いなくセクハラよ」

「セクハラぐらいさせなさいよ!っていうか、慰めれや!!」

酔っ払い親父のような台詞を吐いて部屋の中に飛び込んできた彼女は、そのままカリファに抱き着くと豊かな胸に顔を埋めた。

「はぁ〜、癒される」

今日もジャブラと喧嘩でもしたのだろう。
分かりやすいといえば、分かりやすい彼女の頭を慰めるように撫でる。

彼女はジャブラが好きだ。
それなのに、何故かいつも自分から喧嘩を売る。
どうしてそんなことをするのかカリファには理解できないが、この奔放なのに憎めない幼馴染みの恋は応援してあげたい。
応援してあげたいが、やっぱり彼女の言動は理解できないものが多い。

「あんなこと言うつもりなかったのよぉ。何であたしっていつもこうなの?いっそのこと受精卵からやり直したい……」

それでも反省できるようになっただけ、十年前よりは進歩していると思えた。


03:終わった後で自己嫌悪



「貴女なら受精卵からやり直しても結果は同じだと思うわ。だから、そんなこと言わないで」
「カリファは慰めてくれてるのよね……?」


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10/02/28

by追憶の苑

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