実験少女黒髪1
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学校にも無事間に合い、現在一時間目の理科の実験中です。
しかし、この不良高校。真面目に実験を行なっているのは私と成績優秀な山田君しかいません。
一人ずつ使うのは片付けが面倒なので、一緒にしております。
クラスのみなさんは、室内でわちゃわちゃしています。
「春菜、ガスバーナーの元栓開けてくれるか」
「お安い御用です」
私は力を込めて回しました。
完璧。達人になれます。
「春菜」
「なんでせう」
「逆だよ」
「えっ」
「意外とドジなんだね。なんか、キリッってしてそうなのに」
「わっわざとに決まってるぢゃないですか!私はいつもキリッってしてます」
「はいはい。じゃあ早く元栓開けてね」
「……はーい」
こんなだーやま君は男女共々人気があります。
頭が良く回転し運動も得意なので、クラスの不良さんにも一目置かれています。
私と全然違うタイプの女性の方とも仲良くお話できるようです。
私はと云うと、怖くて何も話せません。特に女性。
よくお話するお友達はだーやま君くらいでせう。
そういえば、神威さんと私はお友達なのでせうか。
むつかしい。
「山田君だーやま君」
「だーやま君はやめてくれ。どうしたの」
「よくお話する方はお友達と認識してよろしいのでしょうか」
「そうだね。友達だよ。俺と春菜も友達だよ」
「だーやま君はたくさんお友達がいますね。羨ましい」
「だーやまで来たか。あえてそっちか。春菜は他にいないのか、友達」
「微妙な方はいます。とっても怖い人」
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