勇者黒髪
15/25
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朝です。
実は昨晩、兄と弟が泊まりに来ました。
「やっほー姉ちゃん」
「めい元気?」
「KAERE」
真夜中まで騒ぎ続けて少々寝不足です。
さぞご近所の方々にも迷惑をかけたでしょう・・・。
あとで挨拶をしておきましょう。
それにしても、今日は太陽が顔を覗かせています。
しかし・・・・。
「じゅっ12位・・・」
「『あなたの苦手な人に絡まれそう。特に朝気をつけて』だって。姉ちゃんどんまい」
「五月蝿い不良。ちょっとそこから飛びをりて運悪く死んで」
「すいやっせんしたああああああぁぁぁぁ」
大丈夫です。私は5位以上しか信じませんから。
そもそも、てれびじょんの占いが当たるはずありません。5位以下は。
「おはよーめい」
「あー翼おはようー」
「げっ兄貴・・・」
初登場です。兄の翼です。兄ですが呼び捨てです。
「姉ちゃん、もう行こう」
「うん。じゃあねー」
「いってらっしゃい」
翔(弟)は翼(兄)のことを毛嫌いしています。
この話は後ほど。
姉弟でご近所様に昨晩のことを謝り、登校します。
「姉ちゃん気をつけろよー。あの占い、結構当たるんだぜ」
「私みたいないるかいないかわからない女に絡む人なんていないわよ」
「姉ちゃん結構可愛い顔してるんだぞ。学校までついて行きたいわ」
「お世辞をありがとう。そんなに気にしなくて大丈夫よ。それに私についてきたら翔が遅れちゃうわ」
翔は何かまだいいたいのか、眉間にしわを寄せてすこし不機嫌になってしまいました。
しすこんです。我が弟はしすこんであります。あいらぶ姉。
私と翔は高校が違うのでここでお別れです。
「なんかあったら連絡してね」
「了解」
「じゃね」
「気をつけて」
そして私たちは別々の道を進みました。
それは間もなくのことです。
私は後ろから近づいてくる気配を感じ取れませんでした。
「!?」
「動くな」
背後から大きな手が伸びてきて、私の動きを封じます。
「お前だな、近頃神威と一緒にいる女」
「早く行こうぜ」
彼らは何故神威さんのことを知っているのでせう。
よくよく見れば、変形した学生服を着ています。
もしかして、神威さんのような不良のお方なのでしょうか。
どうしましょう。占いがあたってしまいました。
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