橙色の三つ編みと黒色のセミロング | ナノ



わかんないの
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普段ふわふわと浮いているようなのに、逃げるとどうもジェット機になるらしい。

面倒な女だ。


でも、俺に逃げられるものなんて、この世にないんだ。




「やっと捕まえたー」

「ひえええお助けをー」

「お前には友達がいないんだろう。だから助けてくれるやつなんているはずがない」

「――――死んでやるウゥゥゥ!!」

「死なせないよ。俺が生きている限り」

「かっこよさそうなのに恐怖しか湧いてきません」




めいを捕まえた俺は、もう逃げられないようにと、世で言うお姫様抱っこをした。
彼女は軽過ぎもせず、重過ぎもしない。
顔が赤くて可愛らしい。



―――俺が女に対してこんなことを思うのは初めてかもしれない。



でも、俺は認めない。


俺は、今の俺を認めない。


しかし、そんなことを言い聞かせても、俺の本能は言う事を聞かないようだ。


死なせはしないってなんだよ。


こんなやつがこの世から消えたって、俺はなんとも思わない。


だが、俺は命をかけてこいつを守るのだろう。


素直になれない。何がしたいのだろうか、俺は。


情けない。



これは、少しだけ気になっていた。


「あの、」

「ねーめい」


同時に喋ったが、彼女は俺を優先させてくれた。



「何ですか」

「めいってさ、彼氏とかいるの」



おれは、どんな顔をしていったのだろう。

いつもどうりだったのだろうか。

彼女は少しだけ考えて、俺に言った。



「そんな大層なものいませんよ。私にそんなのいたら今すぐビックバンが起こります」


ビックバンが起こるくらいなのだから、きっと今までに男と付き合ったことがないのだとわかった。



次の言葉は、俺の本能が出てきてしまったんだ。




「じゃあ、俺がビックバンが起こるくらいの大層なものになってやるよ」



何なんだ。


なんでこんなことを言うんだ。


何がしたいんだ。


何を言いたいんだ。




誰か、俺に教えろよ。














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