橙色の三つ編みと黒色のセミロング | ナノ



しょっきんぐぱーてぃー
10/25



「まぁ、嘘だし」


「え」


「もしかして、期待しちゃった」


本当に悪魔です。
私は、ああはいったもののホンの少し期待していたのでしょう。
私には、異性との経験が家族くらいしかありませんから…。

だから、こんなにも…。



「………しょっきんぐ」


「何だい」


「神威さんなんて引きちぎれてしまえ!!」


我ながらグロテスクなことを言って走って逃げてきてしまいました。
これなら、神威さんもどんどんびきびきでせう。
廊下を曲がって後ろを見ると、悪魔は呆然としていました。
どうやら、追いかけてこないようなので、安心です。





「ねえ」


「え」


「ちょっと来てよ」


私の後ろに現れたのは、私の苦手な女性の方です。
現代語で言う、ぎゃるです。
しかも、5人もいます。

まさか…お友達になろうというお誘いでしょうか。
嬉しいですが、ぎゃるのかたは香りがきついので、なるべく遠慮したいものです。

まあ、そんなことがあるはずもなく……。



「何神威さんと話してんのよ」

「神威さんが嫌がってんの、わからなかったの」

「あんたみたいなブスがかなう相手じゃないのよ」

「…えーと。」


ついてきたら、いつの間にやら体育館裏。
怖すぎます。女怖すぎます。
神威さん、嫌がっていたのでしょうか。
どちらかというと、私のほうが嫌でしたが。
あの悪魔から話しかけたのですから。
でも、私みたいなのがかなう相手ではないのは確かです。


「何か言いなさいよ」


何かって、私は何もしていないのです。
神威さんの印象はもう最悪なのです。

ここは、あえて堂々としてやりましょう。


私はぎゃるに圧倒され縮こまっていた身体を起こし、背筋を伸ばして胸をはります。
腕を組み、足は肩幅に。

私は今、雄大な富士のごとく大きいのです。


「何してんの」


まあ、まさにそのとおりですね。
こんなに堂々としたからって、なんなのでしょうか。


「もうやだこんなのと関わるの」

「俺も関わらない方がいいと思うよ」

「何考えてるかわかんない」

「行こう」

「ていうか、さっき俺って言った人誰」

「俺のこと」


「「「「「!?」」」」」


「やっと気づいた」













人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -