あなたを想うだけで傷だらけです | ナノ
パロディノベル



  再会 -conver my pleasure to her-


再会D

-conver my pleasure to her-



振り返った、キラと彼女の声が見事にはもった。
よく見れば顔もどこか似ている。
きょうだいだったらいいのにとアスランは思った。

そう考えていたときに響いた彼女の声。
それは自分の名前。


「えっ?」


驚きの余り自然にもれる声。
隣のキラも不思議そうにしている。


「「・・・」」


彼女は黙ったまま、顔を伏せている。


「うそ!カガリ、アスランと知り合い?」


キラは彼女にそう聞いた。
カガリって言うんだ。
初めて知る彼女の名を自分の頭の中にインプットする。
それ以上にアスランは吃驚していた。
どうして彼女が俺の名前を知っているんだろう?
話したこともないのに。


「えっえっと・・」


彼女こと、カガリは目を泳がせた。
カガリはフッと思い出したみたいで、


「よく、キラが話してたじゃないか」


確かにありえない話ではなかったので俺は納得した。


「う〜ん。そう言われてみたら、言った気もする」


キラもそういえばと記憶を辿っているようだ。
なにはともあれ彼女が自分の名前を知っていることが嬉しかった。


「・・そうなんだ。よろしく・・・えっと」


そう言ってアスランは手を差し出した。
しかし、名前は知ったもののなんて呼んだらいいか迷ってしまった。
いきなり呼び捨ては駄目だよな。
そう考えていたらキラが名前を教えてくれた。


「あっカガリだよ。アスラン、僕似で可愛いでしょ」


名前はもう知ってるんだけどと思いながら、
とりあえずなんて呼ぶかで迷うことは無くなった。


「カガリです」


カガリは差し出したアスランの手を握った。
うわっ!
ちっさ!
柔らかっ!
実に思春期らしい少年のような思考回路をアスランは巡らせた。


「アスランです。よろしく。・・キラの妹さん?」


そうであったらいいなという願望を口にした。
キラには俺が知る限りではラクスという恋人がいる。
実際この前もキラのプレゼント選びにラクスの買い物に付き合った。


「そうだよ。アスラン、僕の妹」
キラは凄く満足そうに言った。
・・手っていつ放したらいいんだろう。
アスランはタイミングが掴めないまま。
手を握ったままだった。
カガリは俯いていてアスランから顔の表情は見えなかった。
嫌だったのかな?
アスランはそう思ってそっと手を放した。
名残惜し気に。


「で?珍しいね?アスランが休日にこんなところに来るなんてさ」


キラはアスランに話し掛けた。


「ああ。今日は、生徒会だったから」
「それで。大変だね。生徒会長さんは」


キラは納得したように頷く。
自分だって書記の生徒会委員長なくせにと悪態をつきながら。


「まあな。途中までラクスと一緒だったから
そのうち来るんじゃないか?」


ラクスは生徒会の副会長だから。


「えっ?本当」


キラは嬉しそうに声を弾ませて言った。


「カガリ、ラクスはねぇ、僕の彼女」


誰だろうとしたカガリにキラはそう言った。


「来るみたいだから。紹介するね」
「えっあ、うん」


端で話している二人を眺めながら、偶然ってすごいなとアスランは感じていた。
好きな人が友達の妹なんて、すごい偶然だ。
そして彼女と話せてよかった。
アスランはキラに感謝した。
今度キラが欲しいって言ってたゲームでも買ってやろうかと考えながら。


「あっ来たみたい。ラクスー!」


キラが硝子張りから大声で呼びかけた。
目が自然にそっちに向く。
キラの声に反応してかこちらを向いた影があった。
ラクスだ。
にっこりとラクスは笑って、キラに手を振った。


「キラ」


ラクスはくるりと外を回って、店の中に入ってきた。


「あら、アスランも・・・えっと?」



キラに夢中だったラクスはやっと俺達に気付いたようだ。



「ラクス。紹介するね。僕の妹のカガリ」

「まぁ、そうでしたの。
初めまして私、ラクス・クラインと申しますの。
ラクスとお呼びくださいな」


ラクスは微笑んでそう言った。


「あっ初めましてカガリです。
ラクス」


女の子同士っていいなとアスランは思った。
名前で呼んでもらえるラクスにちょっとジェラシーだ。


「僕の彼女なんだよ。可愛いでしょ」


キラは自慢そうにそう言った。


「うん」


何度もカガリは頭を縦に振った。
カガリの方が可愛いのに。
そんなカガリを見ながらアスランは思った。


「あっあの!アスランさんは彼女おられないんですか?」
「えっ?」


さっきまでラクスと話していたカガリがいきなりこちらに話を振るものだから俺は吃驚して曖昧な言葉しか出せなかった。


「あっごめんなさい。変なこと聞いて」
「いいよ別に。彼女はいないよ」



平常心を保ちながら普通に答えたが内心はドキドキだった。
だってそれは、そんなの聞くってことは少なからず自分に興味があるってことで、
それはすごく嬉しいことだった。


「本当ですか!?」


カガリは嬉しそうに笑った。
・・・/////
あまりに嬉しそうに笑うものだからドキドキした。
たぶん今、俺の顔はすごく赤くなっているのだろう。


「どうしたのカガリ。さっきから敬語ばかり使っちゃって」


隣で話を聞いていたキラがカガリに聞いた。
確かに、できれば敬語は止めて欲しいなと思いながらカガリの答えを待った。


「特には」


理由は無いらしい。


「けど、確かアスラン好きな人いるんだよね。
散々イザークとディアッカにからかわれてたもんね」


キラはそういえばと思い出した風に言った。


「たしか電車でみかけた他校の女の子だったけ?」


続けてキラはそう言った。


「おっお前!////」


本人の前で!!
告白したようなものじゃないか!!
たしかに同じ電車に乗っていたことを彼女は知るはずないけれど、
本人の前でそういうのは止めて欲しかった。
それに勘違いされたらどうするんだ。
・・・・・。

嗚呼、俺は何を考えていたのだろう。

彼女は俺が君をずっと前から出会っているって知らないんだ。

そう考え込んでしまってアスランは沈み込んだ。
俺は彼女にとって、唯のキラの友達。
関係ない他人なんだと思ってしまったんだ。


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