再会 -I'm happy to have know you-
再会B
-I'm happy to have know you-
「キラ。私、先に帰るな」
「えっ。あっうん」
「じゃあ、アスランさん。ラクス。またな」
なんだか、私が凄く馬鹿だった気がした。
・・彼女がいないと聞いて喜んで、好きな人がいるって聞いて落ち込んで。
・・なんにもならないのに・・・。
アスランさんにとって私は今日初めて会った、
友達の妹なんだから。
「あっ待って。送ってく!」
ガタン。
椅子から急にアスランさんが立ち上がった。
!
「えっ」
送るって、誰を・・・私を?
「キラの家なら知ってるから」
「えっけど・・・」
「アスラン。まだ3時だよ?」
驚いたのは私だけではなかったみたいでキラも不思議そうな顔してる。
言われてみれば外もまだ明るい。
送りが要るかと問われれば「NO」だ。
「・・・?」
「・・正直、キラとラクスの二人の邪魔したくないから」
あっ。なるほど。
確かにカップルの二人といるのは心苦しいかも。
「だから、送ってく」
アスランさんの手が私に差し出された。
・・・これって。
手を繋ぐってこと?
!!!!!いや、さっき握手したけど!!
「・・////」
ギュって強くアスランさんの手を握った。
「行こう」
「はい////」
・・*・・
「ねぇラクス」
「はい」
「そういえば、カガリって電車通学で、
朝練で結構早く家出て行くんだけど」
「まぁ」
「・・・兄として凄く複雑なんだけど・・・」
「アスランのあんな真っ赤な顔、私初めて見ましたわ」
・・*・・
めちゃくちゃドキドキいってる。
死ぬ!
さっき失恋したはずになんでこんなことになってるんだ。
「カガリって呼んでいい?」
「えっはい。もちろん」
「・・・よかったら俺のこともアスランって呼んで欲しい」
「えっ////」
「・・人を初めて好きになったんだ」
「っ!」
「ほんと馬鹿みたいに一目惚れで、
しかも全く接点のない子だったんだけど。
電車で会えるのが毎日楽しみで・・・」
やだ。止めて、聞きたくない。
「・・・」
「けど、秋ぐらいから見かけなくなった」
「・・・それって」
「君のことだよ。カガリ」
「・・・!!!」
私!
えっ、嘘。それって...そういうこと?
「初めて君を見かけたときから、ずっと気になってた」
「・・・!!」
「君のことが好きです。俺と付き合ってくれませんか?」
――――・・・・はい?
「夢?」
私は信じられなくて頬を抓った。
痛い。
夢じゃない。
「夢じゃないよ。夢で終わらせないで」
「・・・」
なんだろうこれ。
すごく心がポカポカする。
けど、凄くドキドキする。
「――――あ・・・あれ?」
ポタッ。
頬に暖かい感触。
「!なんで泣いて・・・やっぱり嫌だった?」
「ちっ違う!そうじゃなくて」
私は大きく深呼吸をした。
「私もあなたのことが好きです」
「・・・ありがとう////」
嬉しそうに、はにかんでいるアスランさんの顔は、
さっきみたいに、赤く染まっていた。
「・・・アスランさん。可愛い」
えっ?とアスランは驚いた顔をした。
「・・・嬉しくない。・・それと名前で呼んで欲しい」
「アスラン」
拗ねたようなアスラン(可愛いと思ったけど怒られそうなので言わないで置く)が凄く嬉しそうに笑った。
綺麗。
「カガリ」
ギュって強く抱きしめられた。
「好きだ」
そう言って、アスランと目があった。
―――・・・キス。
私はドキドキしながらも、ぎゅっと目を閉じた。
唇にアスランの唇が触れた。
「・・・・」
うわっ!!
今のキスだよな。
「・・ぁ・」
「//////」
「あす・・らぁ・・ん」
カガリは舌足らずでアスランの名前を呼んだ。
アスランは顔を赤く染めながら微笑んだ。
「これからよろしくな、カガリ///」
「はい」
カガリはアスランにぎゅっと抱きしめた。
その日私の初恋は叶った。
これからとてもすてきな毎日が待っているそんな気がする。
新しい毎日が。
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