あなたを想うだけで傷だらけです | ナノ
パロディノベル



  心とは裏腹に 09



先に目を覚ましたのはカガリだった。

「・・・・ん・・」

目を覚ました鼻の先にはアスランの姿。

「わわわ・・///」

カガリは慌てて飛び起きようとするが、
なぜか腰にアスランの手ががっちりと締め付けられていてカガリは動くことが出来ず、
再びベットに逆戻りになった。

「アスランの寝顔、やっぱり綺麗だな・・」

カガリはつんとアスランの鼻を指でつついてやると、
アスランが身じろぎをした。
アスランの眠りは相当深いらしい。
どうやら昨日はあのまま泣き疲れてそのまま眠ったらしい。
アスランの目の下は赤く腫れていて、きっと自分も同じなんだろうと思う。

「ふふ・・」

カガリの表情は自然と和らいだ。
これからずっと一緒にいれる。

「アスラン、大好きだ」

カガリはそう囁いて、アスランの唇に自分のを近づけた。

「・・・・ん・・・ふんん〜〜!!??」

近づいてすぐ離すはずっだった唇はなぜか離れることはなく。
逆に強く唇を吸われ、口腔に舌が入ってくる。
しばらくそうやってカガリは翻弄されつづけたが、
ちゅっっというキス音を立ててそれは終わる。

「あっ、あああすらん!!!//////////」
「寝起きを襲ってくるとはいい度胸だなカガリ?」
「おっ、襲ってなんか・・・///」
「なくはないだろう?
まぁ、こういう不意打ちなら俺は大歓迎だけどな」
「・・・・・・・なんか、アスラン性格違う///////」
「ああ、なんか色々吹っ切れた」

アスランはベットから降りて、小さく伸びをする。

「俺、シャワー浴びるけど。
カガリはどうする?部屋に戻る?」
「へっ、あ。今日の授業って何時から?」

アスランは時計を見て答える。

「9時からだから、後30分ってとこかな。
朝食を食堂で食べたいっていうのなら急がないと確実遅刻だぞ」
「後、30分って絶対遅刻じゃないか〜!!」

急いでアスランの部屋を出て、着替えて、朝食を摂って。
その上昨日はああだったから授業の準備なんて何も出来ていない。
カガリは単純計算してそれらを30分でするのは無理だと考えた。

「そうだなー」
「そうだなって何を暢気なこと言って!!
シャワーなんか浴びてる場合じゃないだろう?」
「・・・いや、なんか今日はいいや。
今さら、どうせ遅刻だし」
「お前な〜」
「ほら、カガリは急ぐんだろ?
とりあえず、服ぐちゃぐちゃだからちゃんと着替えろよ。
後、目腫れて真っ赤だからちゃんと顔洗ってからいけよ」

アスランはそれだけ言い残して、シャワー室に消えた。

「〜〜なんかムカツク!」

カガリは怒りながらもそのままアスランの部屋から慌てて出た。

「というかお前優等生な癖に、なんだよそれ!!」

ぶつくさといいながらカガリは自分の部屋に向かうが、
途中でこんな風に普通にアスランと会話できる今が嬉しくてカガリはうかれてスキップを始めた。
幸せだな!
アスランと笑い合える日が来るなんて思ってもいなかった。
それに、キスまでして!!//////

「けど、なんか忘れてる気が・・・・・・・あ!!
ジュール先生!!」

昨日アスランの部屋の前で会ったジュール先生。
確か、医務室に来いとの伝言。

「すっかり忘れてた!!」

カガリは慌ててアスランの部屋にへとUターンした。
もう1時間目は諦めよう。
成績優秀なアスランとは違い、自分はお咎めなしとはいかなだろうがこの際しょうがない。
言伝を伝え忘れるとかホント、軍人失格!!

・・*・・

扉が閉まる音がしてカガリが部屋から出たのがわかった。

「ふぅー」

シャワーを浴びながらアスランは考える。
再び、カガリをこの手に抱きしめて笑い合える日がくるなんて思ってもみなかった。
その上、キス・・など。
カッーっと上がる体温。
目を閉じただけでカガリの柔らかな唇の感触が思い浮かぶ。
この状態で授業なんて絶対無理だ。

数年前、家族を失い孤児になった俺に伝えられたのはある感染病だった。
敵軍のミサイルの爆撃を受けた俺。
そのミサイルは汚染されており、そのときの傷から感染したのだろうと言われた。
敵軍のウイルス兵器、もしくはただの偶然かわからないが。
俺には治る見込みはなかった。

だから、カガリとした約束は果たされることはないんだと知った。

そんな俺に声を掛けてくれたのが今の養父。
息子を亡くした養父は俺をその変わりとして引き取りに来た。
だけど、養父が俺を選んだのにはもうひとつ理由があった。
彼は敵国の軍医だった。
終戦の後、敵国だった敗戦国で償いとして俺を助けようと思ったらしい。
カガリと離れることは辛かったし、抵抗もあった。
けれど、このまま死ぬより生きる可能性があるのならそれに掛けてみたいと思った。

生きたいと・・・。

君とこれからも傍にいたいからと。
そう思ったんだ・・。

だから、俺はカガリを裏切って、孤児院を出た。

・・*・・

アスカガラブラブ!
書いててやっぱり楽しかったです。
これからちょっぴりシリアスです。


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