あなたを想うだけで傷だらけです | ナノ
パロディノベル



  心とは裏腹に 03


私は掲示板に貼られている名前を見て絶句した。
・・どうして?
そして後ろにいた私の天敵がにっこり笑ってこう言った。

「よろしく。アスハさん」

私が顔が青ざめていくのを感じた。
・・・どうか、嘘だと言って。

今日から課外授業だった。
私達はペアを組んでサバイバル訓練をする。
約二日間。
考えられなかった。
アスランとだなんて。
けど、授業はまともに受けたかった。
私は戦争が終わって数ヶ月経ったときある人に養子にこないかと誘われた。
アスランもいなくなって、したいこともなかった私はOKした。
そして、私は身勝手にも軍人になりたいと言った。
親は反対した。
当たり前だけど、結局しぶしぶ許してもらった。
だから手は抜けない。
私はあの日、自分の初恋が終わりを告げた日から自分のモットーが出来た。
それは、

「よろしくお願いします」

アスラン・ザラには敬語で話せだった。
ただのあてつけだけど、そんなのでも自分とアスランの壁を作るのには役立った。
たまに分からなくなるから昔と今の境目が。
だから、これは自分への戒め。

「・・こちらこそ」

アスランはにっこりと笑った。

「A−4の教室に行けって書いてありますね」
「そうだな」
「行きましょうか」

そして私達の課外授業は始まった。
内容はこうだった。
まぁ学校の課外授業でサバイバルなんだから
普通に孤島とかでサバイバルしたらいいだけなんだけどな。
そして私達はヘリコプターで某所に移動した。

「って・・ジャングル?」
「ジャングルだな」

呆然とする私を尻目にアスランはシレッとそう言った。

「・・・・・」
「もしかして、アスハさん驚いたりなんかしてる?
まさかだよね、あの怖いもの知らずのアスハさんが・・」

カチンと来た。
こいつの言い方はいつも癪にさわる。

「まさか、そんはずありませんわ。
ええだって、あのアスハさんですから」

私はお返しににっこり笑った。
私達の感じはいつもこんな感じだった。

「とりあえず、食料は保存食があるからいいとして、
寝床でも確保しておきます?」
「寝床ですか?」

私の考えではそこらへんに寝袋で寝たらいいやと思っていたのだが?
アスランは不思議そうな私に続けてそう言った。

「念の為です」

そう言ってアスランは茂みを指差した。
そこには動物がいた形跡があった。

「?」

けれど、それがなんなのかわからなかった。

「蛇とかじゃないんですか?
ジャングルですし」
「・・・・・・・・」

私は青ざめた。

「だから、今のうちに少しでも安全なところ探しておかないと・・」

そう言ってアスランは歩き始めた。

「・・・・・」

正直よかった。パートナーがアスランで、
たぶんアスラン以上に頼りになる人なんていない。
悔しいけど。

「・・俺の顔に何かついてますか?」
「なっ?」
「さっきから、ずっと俺のこと見てるから」
「・・・・・ザラくんしか見るものがないんです」
「そうですか。・・・・そこ、ツタ多いので気をつけてくださいね」
「・・あっはい」

暫くしたところにで茂みから脱出した。

「ここって・・」
「・・・へぇ、凄いですね。
ジャングルの中の温泉って・・」

そんなに大きなわけではなかった、けれどそこは湯気がたちこめ、
割と深い温泉だった。
私は目を輝かせてそれを見つめた。

「・・・・・入ります?」
「え?」
「温泉。アスハさんが入りたいならとめませんよ。
その間もう少し先偵察してきますし」

一緒に入るのかなて思ったから一瞬びっくりした。

「いっいえ、そんなわけにはいけません。
課外授業ですから」
「・・・・・アスハさん、歩く速度遅いですよね?」
「なっ!?」
「この速度じゃ日が沈むまでに寝床が探せないかも知れません。
大人しくここで待っててください」
「・・・〜う」

私はアスランを睨みつけた。
けど、さっきからアスランは私に足元を注意してなど私を気遣ってくれるのだ。
正直堪えた。
確かに、このままだったらペースダウンだろう。

「お願いできますか?」

アスランは私にもう一度聞いた。

「はい・・」

たとえ相手がアスランでも自分が邪魔をするのだけはしたくはなかった。

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