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   コウside


「ちょっと待ってろ!」



そういって大部屋を飛び出してきた。
仕方なかったんだ。
あのままユウキと話してたら、思い出しそうで。



『主人・・・、あの、俺、』



いつの間にかボールから出てきてたらしい。
淡い黄色のふわふわした毛と、朱色の身体のそいつは、酷く悲しげな目で俺を見上げる。



「大丈夫だ、理焔。もう怨んだりしてねーし、元の原因はお前じゃないからな。」

『・・・主人・・・』



仕方ないさと呟いてから、目的のものを探る。

ここは、相変わらず暗いな。
目がなれても、先が見えづらい。




『彼のボールは、入り口右側の四つめの棚、上から二段目の左端です。』

「ん、サンキュ。よく覚えてるなお前・・・」

『いえ、ここは俺の管理場ですから。』




ああだから分かるのか。
きいい、と音をたてて扉を閉める。

ああ、・・・こいつの歪んだ心も、ユウキならなんとか出来るんだろうな。
何故か根拠はないけど、確信はできた。

っつーか、俺、あいつ知ってる気がするんだよな・・・どこかであった気がするっつーか・・・何なんだよ?



「・・・主人!!」

「うわっ!?理焔、なんで急に人化してんだよ!ビビっただろ!」

「主人が何回呼んでも反応してくれないからですよ。ほら、ユウキ待ってるんでしょう?早くいってあげましょうよ」

「は、お前も・・・ああ、仕事か」

「はい。それでは主人、真っ直ぐにユウキの所に向かってくださいね!」

「分かってるよ、子供じゃねーんだから・・・んじゃ、頑張ってこいよ」

「勿論です。それでは。」



理焔はそのまま来た道を戻る。
・・・まだ人化したままか。

さーて、理焔にも言われたし、さっさと戻るか。






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