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  エメラルドの目


「ユウキー!」

「あ、おかえりなさい。」



コウが出てって丁度15分、やっと帰ってきた。

因みに待ってる間もいろんな人にいろんな事聞かれた。
「好きなひととかいるの?」って聞かれたときは焦った。正直何言ったか覚えてない。
ところでコウが手に持ってるのは・・・



「モンスターボール?」

「そ。入団祝いのプレゼント。」

「あれ、声出てました?・・・あれ、え?僕に?」

「ああ、ばっちり。で、これはポケモンだよ。ユウキのな。」

「・・・!!」



ポケモン

やっぱり、なんだ。そうか、ここはゲームじゃ、ないんだ。
現実なんだ。



「出すのは部屋戻ってからな。」

「部屋?」

「おう。ユウキの部屋。俺の隣だから」

「え、そんな。いいんですか?」

「当たり前だろ?」

「うわあ、ありがとうございます!」



いきなり押し掛けてきたのに、部屋を貰って、ポケモン貰って。
本当に、いいのかな



「ユウキー、コウー、準備出来たわよー!!」

「いつの間に?」

「あれさっき言ってなかったか?まー気にすんな。行こう、ユウキ」

「あ、ハイ!」



誰かと一緒にご飯を食べる。
久しぶりだなあ・・・
暫く独り暮らしだったし、ハンバーガーもコンビニ弁当も食べ飽きてたから、手作り料理純粋に嬉しい。
・・・料理ができないわけじゃないんだよ?面倒だから嫌いなだけだよ?


でも、どうして?
初対面で、何も知らない。
もしかしたら、彼らにとって不利な動きをするかもしれないのに。

どうして優しくするの?



「あの、コウ・・・」

「ん?どうした?」



コウは、ほんの少しだけ嬉しそうに笑いながら、くしゃくしゃと僕の頭を撫でる。



「いえ、呼んだだけです。すみません」



それを見たら、別になんだっていいんじゃないかなって気がしてきた。
僕はただ、優しい彼らの害にならないように頑張るだけだ。



「そっか?じゃあ早く行こうぜ。アヤコの料理すげぇ美味いから!!」

「うわあ、本当ですか?楽しみです!!」



ボールを愛用のウエストポーチに入れて、歩きだしたコウについていく。

・・・ポーチの中で、小さくボールが動いた気がしたのは、
気のせい、かな。

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