anotherlife? | ナノ


  3


「だってユウキ。ここいらの事知らねぇだろ?」

「それは、まあ」

「火翠もそんな詳しい訳じゃねえし、とりあえずその辺見回ってみろって事だ」

「あーなるほど、分かりました。じゃあ先にご飯食べてきます」

「行ってこい行ってこい。食い終わったらまたこっち来いよ」

「分かりました。それでは失礼します」



***



『・・・』

「火翠大丈夫?」

『羞恥で死ねる』


「死んだらなにもないよ。あと恥位じゃ死なない」

『わかってんよ・・・例えだ』



それはそうだよね。お腹すいた。
食堂どこだろう・・・昨日は大部屋だったし、多分別の部屋だろうな

どうしよう。火翠に聞くのもあれだけど、お腹すいたな・・・うん。仕方ない。



「火翠、食堂どこ」

『今向かってんだけど』

「え、ありがとう?」

『え、なんでだ』

「なんとなく」

『置いてくか』

「すみません」



迷うからやめてほしい。って言ったらため息つかれた。
だって無理だよ、意外と広いし、迷うよこれ。



「そういえばさ、」

『どうした?』  

「どうしたんだ?」

「タイム。一つ、なんでコウがここにいるんですか。一つ、その服装はなんですか。一つ、ってゆーか頭になにのせてんですか」

「一つ、なんとなく見つけたから後つけてみた。一つ、寝間着。一つ、理焔にのせられたけど何かはわからない」

『俺にはバインダーがのってるように見える』  

「だよね。僕にもそう見える」

「えっちょっマジで?バインダーとか歩きながら仕事しろってこと?」

「・・・」

『・・・』  

「なんだよ・・・無言こわい」

「いや、だって、ね?」

『ユウキが復唱したんじゃねえの?』  

「あ、そうかもしれない」



聞き間違いだよね、多分。
火翠が言ったのを僕が言い直したんだよねきっと。
・・・言った、かなあ・・・?



「うわ、本当にのってるし。なんだよ火翠もっと早く教えろよ」

「・・・」

『・・・』  

「だから無言やめろって」

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