朱色の髪 1
昨日は結局、火翠とちょっとだけ仲良くなることができた。
名前呼んでくれないけど。
寝るときはボールで寝るらしい。
どんな感じか聞いてみたけど、いまいちわからなかった。
で、商業部だっけ?でのはじめての朝。
《しゅーじーんんんんん!!朝ですよ朝!いい加減起きてください!!》
《無理眠い無理今何時だとおもってんのお前本当に無理》
《無理じゃないですよ!因みに今は6時45分です!》
《まだ朝っぱらじゃんかよ寝かせろし》
《そーゆー訳にもいかないんです!ほら起きる!!》
《ひどーいきちくー》
《俺は鬼畜じゃないですよ!苛められたいなら小夏呼びましょうか!?》
《今起きました!》
「『・・・』」
なにいまの。眠気とかどこか行った。確か隣ってコウの部屋だよね・・・なにいまの。
「・・・おはよう火翠」
『ん、はよ。で、今のなんだ?』「恐らくコウの部屋からだと思われる」
『コウ?』「あ、えーっと、黒い髪の毛で昨日濃紺のタートルネックに白衣とジーパン着てたひと。」
『・・・ああ、あいつか』何があったの火翠。
なんか疲れきった目してるよ。
「ユウキ、入って平気か?」
「問題ありませんが・・・どなたですか?」
ドアの向こうから聞こえた声は、さっきコウを怒鳴ってた人の声と同じ。
あれ、でもさっきは敬語だった気がする・・・もういいや。
『あ、理焔さん』「え?知り合い?」
「まあそんなところだ。それでユウキ、着替えたら昨日の大部屋来い。場所わかるか?」
「一応覚えてますよ。わかりました」
「よし。じゃあ、後でな」
バタン
・・・開けるときの音は可愛いのに、閉めるとき結構大きいよね。
「・・・で、火翠。あれ誰?」
『第二管理場の理焔さん。あの人ポケモンだぜ』「え、ポケモンって擬人化できるの?」
『あー、条件はあるみたいだけどな』ふーん、じゃあ火翠もいつか擬人化するのかな。
ちょっと気になるかも。
『・・・言っとくけど俺、人化の条件知らねえぞ』「なん・・・だと・・・?」
『何ネタだそれ』「ごめんふざけただけ」
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