anotherlife? | ナノ


  3


『で、お前誰?』

「えっと・・・初めましてポニータ君?僕はユウキです。」

『あっそ』



ちょっ、何そのそっけない返事。
僕はちょっとだけ傷ついたよ。ぐすん。

・・・うん、やめよう。



『・・・お前は、何とも思わないのか?』

「え?」

『俺の・・・目』



何かに怯えるように、おどおどと聞くポニータ君(それも可愛いとか思ったのは秘密。)

・・・確かにポニータ君の目は、一般的な色ではなかった。

代わりにあった色は、幾重にも色を重ねたような青緑。



「んー、何とも思わない?って聞かれたら、思うって答えます。」

『・・・そうだよな。こんな微妙な色違いなんて、気味悪いよな』

「あ、違う違う。それは誤解!僕は、気味悪いとかじゃなくて、綺麗だと思います!」

『っは!?嘘言うなよ!』

「嘘なんかじゃないですよ。てか何でそんなことで嘘つかなきゃいけないんですか。

そりゃ、ちょっと珍しいなとは思ったけど。だけど私は本心から綺麗だと思ったの。
ポニータ君、自分の目を鏡でちゃんと見たことある?
あのね、君の目の色は光と涙で、かな。少し色が違って見えてるんだ。
納戸色にも、浅黄色にも、エメラルドにも。あ、今のは空色に若草色を混ぜたみたい。

・・・他の人がどう思うかは分からないけど、僕は凄く好きだよ。」



あ、しまった。つい饒舌になっちゃった・・・
うわあああああポニータ君俯いちゃってるよどうしようそうだ樹海にいこう。いやこれなんか違う。



『・・・』



何を考えてるのか分からない。
だけど緑色の二つの目は、僕から反らされることはない。

なにこれ。地味に緊張する。



『俺は・・・旅がしてみたかったんだ。いつだったかに会った人間は、俺を連れてってくれるって言った。』




凄く嬉しかった。だから、その人間についていこうって、決めたんだ。

突然淡々と、ポニータ君は語り始めた。
それでも、瞳は反らされない。

これは、彼の昔話?



『なのに、気付いたら鉄の臭いのする建物にいた。
それから、それ、から・・・』



距離があってもわかるくらいに、ポニータ君は震えてる。

なんで?なんで今そんな話するの?



『・・・それから、よくわかんねー機械に入れられたり』

「もういい。話さないで」



僕は叫んで、ポニータ君の話を止めた。

見ていたくなかった。
小さい体が大きく震えて、泣きそうになってるポニータ君なんて。



『・・・』

「そこまで、して、話そ、うと、っしないで・・・」

『・・・何でお前が泣くんだよ・・・?』

「そんなのっ、わか、ないよ・・・」




情けないなあ。止めたいのに止まらないよ・・・

ポニータ君は不思議そうな顔で、泣きじゃくる僕をただ僕を見てた。

ああ、これ赤くなっちゃうかな。

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