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アヤコのご飯は、それはもう美味しかった。わかめと豆腐の味噌汁もあったし!
後でちょっと聞いたら、
「作り方は普通よ。ただ、お豆腐と卵はこだわりがあるの!」
って可愛い笑顔で言ってくれた。
アヤコが妹だったら良かったのにな。
あれで僕よりも年上、しかも7つ違いとか認めない。
※
「んじゃ、ここがユウキの部屋な」
「はい。本当にありがとうございます」
「気にすんなよ。ユウキはもう俺の家族だからな」
「・・・家族」
「ああ、家族だ」
ずっと、苦手だった単語。触れたらチクリととげが刺さるような、そんな印象があったのに。
それなのに、どうしてこんな柔らかいんだろう。
「暖かいんですね」
「何が?」
「何かがです」
自分でもよくわからないです。
だって、知らなかったんだよ。
誰も教えてくれなかったんだ。
「じゃ、俺は部屋戻るな。隣だし、何かあったらすぐ言えよ!!」
「はい。わかりました」
「いい子だな。お休み。」
「いい子なんて年じゃないです!!」
結局僕の反論も虚しく、コウは笑いながら部屋に戻っていった。
「僕も入ってみましょう・・・」
カチャ、と可愛らしい音と共にドアを開く。
「・・・え、凄。」
部屋の中には、基本的な家具(ベッド、机、テレビ、パソコン、箪笥、ソファ等)が全部揃ってる。
凄いよ。ここだけで快適に暮らせる。
カタ カタ・・・
あ、ボール動いた!
・・・とりあえず出してみようかな、うん。
『・・・・・・誰だ?』
「ポニータ・・・!!」
『・・・だったら何だよ?』
光と一緒にボールから出てきたのはポニータでした。
やっばい可愛い。抱き締めたい。
あ、でも声的に♂、かな?
どっちにしろ可愛いなああ・・・!
『人間か。じゃあ俺の声聞こえねーはずだな』
ポニータ君がポソリと呟く。
ポニータ君のその声は可愛らしいその姿に合わない、低く重くて僕を警戒しきった声だった。
うん、しっかり聞こえちゃってます。
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