それは一つのキセキ | ナノ

01


青峰くんと黄瀬くんの試合を見た僕たち誠凜バスケ部は他の試合を見る前に会場を去ろうとしていた
会場を出るとき見覚えのある女の人を見つけた。


「葉月さん…?」


僕の声は小さくてもちろんその女の人には届かなかった。


「どうしたんだ?黒子」
「いえ、なんでもありません。」


何を考えているんだろう僕は。
黄瀬くんと青峰くんの試合を見て、帝中時代のことを思い出したからこういう考えになったんだろう


「まじでどうしたんだ、黒子」


考え続ける僕に火神くんは心配そうに聞いた


「いえ、なんでもありません。ただ僕の知り合いに似ている人がいたので」
「知り合い?」
「はい。バスケが誰よりも好きで、中学時代バスケ部のマネージャーをしていた人です。」
「ふーん」
「でも勘違いでした。」


そう、勘違い


「火神くん行きますよ。これ以上先輩方から離れると道が分からなくなります」
「お、おう」







(それは一瞬の再開だった)

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