い、今のはなんだ、なんだったんだ!?
龍也が私に……?
ただ普通に見送りをしただけだ。
そして、いつものように龍也が私の頭に触れて、そう、そこまでは普通だったんだ。
でもその後、龍也が私の知らない声で私の名前を呼んで、そして龍也の顔が近づいてきて気がついたら私は龍也にキスをされた
いや、まて、何かの気の性だ。あいつは昔からよく私をからかっていたからな、うん、きっとそういうのだったんだ。別に他意があったわけじゃない、ただ単にからかっていただけだ。そうだ、そうに決まっている
『天音……』
気の性なんだ!!あんな顔もあんな声も全部気の性やめてやめて、思い出すな、私!!
「〜〜〜♪」
私がぼんやりしていると携帯が鳴った
「お、おはようございます!天音です!」
『天音大丈夫か!?』
「え、あ、な、なにが?」
電話の相手はカミュだった
『おい、嶺二大丈夫みたいだぞ』
『よかったー。一安心だねー』
どうやら、電話の向こうには嶺二達QUARTET NIGHTが全員揃っているみたいだった。
「今、皆いるの?」
『あ、うんー』
「今から歌詞確認するからちょっと待って、ごめんね。」
『あ、うん、大丈夫だよー天音ちゃん、今一人ー?』
「うん、今は一人ー」
『そっかー。よかったー。龍也さんがなんとかしてくれたみたいだよー』
「り、龍也!?」
『どうかしたー?』
「え?あ、ううん、なんでも、ないよ!!」
そうそう、なんでもない。なんでもないから。だから、お願い、思い出させないでくれ!
いつも作業をする机に向かいパソコンを起動させた。
メールフォルダを開くと嶺ニから歌詞データが送られていた。
「あ、歌詞ちゃんとおくられてるみたい」
『よかったー』
「今、確認するねー」
『はーい』
すごく素敵な詞だと思う。
嶺ニと蘭丸、藍とカミュのユニットのどちらも。
これは、かなり売れるかもしれない。
最初は難しいかなとは思ったけど、きっと手に取ってくれるファンの人たちが喜んでくれるんじゃないかと自信を持って出せるものになりそうだ。
そんな企画に携われたことがすごく嬉しい。
「すごくいい」
『ほんとー?』
「うん、どの歌詞もすごくいい。ありがとう」
『え?』
「一緒に仕事してくれてありがとう」
『ありがとうはこっちだよ。ね、皆』
『そうだよ、天音がいなきゃできなかったんだから』
『お前がいての俺らだろ』
『あまりふざけたことばかり言うな』
「……えへへありがとう。私皆の作曲させてもらえてよかった。あのね、私明日からちょっと遠出しなきゃいけなくて」
『お前が帰ってくるまでに完成させておく』
『びっくりしてもしらねーからな』
『もちろん最後には確認は取ってもらうけどね』
「うん。よろしくお願いします」
『じゃあ、準備とかあると思うし、そろそろ切るね』
「うん、帰ってくるの楽しみにしてるね。頑張って」
『天音ちゃんもがんばってねー』
「はーい」
よし!
明日から南の島での合宿思いっきり楽しむぞ!!!