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昨日は本当にいろいろあった。いや、そのいろいろに別に龍也のことが含まれているとかはないけれど。
QUARTET NIGHTの作曲家としての活動を頑張らなきゃいけないなと改めて思えるいい機会になった。



なんとか今日の準備も間に合ったし!
ライブやロケ以外でどこか遠くに行くことを経験したことがないからすごく楽しみだ。しかも、友人とだなんて。普段はスタッフやマネージャーとだから本当に心から満喫しよう!



「バスだが、AクラスとSクラスは同じのに乗ってくれー。ガキじゃねえし、好きなとこ座れよー」
「はーい」



「翔ー!一緒に座ろうぜー」
「おう!」



一番仲良しの翔に一緒にバスに乗ろうと誘った。



「オチビちゃんだけずるいなー俺も響ちゃんと一緒に座りたいなー」
「残念でしたーバスは二人乗りなんですよーだ!レンは聖川君とでも一緒に座ればー?」
「冗談でもその名前はひどいなー」






「響さんと神宮寺さん、知らない間にとても仲良しになったんですね」


春歌ちゃんから予想もしていなかった言葉を言われ、正直困った。私とレンの一体どこを見て仲良しだと思ったのだろうか


「ちょ、春歌ちゃんそんなんじゃないからね!?俺としては春歌ちゃんと一緒に座りたいなーって思ったりー?」
「春歌はだめよ」


私が春歌ちゃんに近づくと、間に友知香ちゃんが入ってそれを制した。


「ですよねー」
「分かっているならよろしい!春歌一緒に乗ろうね」
「うん!」


女の子はかわいいなー……。私もああやって女の子ときゃぴきゃぴしたいなーって思ったりもしなかったり?まあ、そんなことをこの格好で言おうもんならどこぞの財閥のおぼっちゃまと同じことになりそうだが






私達がいつものメンバーで盛り上がっている中、トキヤは冷めた目をしてバスに乗っていった。それを音也が追いかけ「トキヤ、一緒にのろう?」と話しかけたみたいだがトキヤはそれを無視した。
私のアドバイス通り?なのかは分からないが、音也はトキヤにいつもどおり接しているみたいだった。


「こーら、そこ、騒いでないでさっさと乗りなさーい」
「はーい」


結局私達は後ろの方にまとまって座ることになった。
外の景色が見たいと言う翔は窓側に座り、私は通路側に座った。
通路を挟んで向こうの窓側に聖川君その隣に那月。
レンはというと


「響ちゃんと隣なんて嬉しいなー」


補助席に座りやがりました。
補助席なんて長距離移動するときは疲れるだけなのに。


「そんなとこ座ったら疲れないか?」
「響ちゃん、俺のこと心配してくれるの?気分が悪くなったら看病してくれてもいいよ」
「全力でお断りします」
「冷たいな−」


私達の前には音也とトキヤが乗っている。春歌ちゃんと友知香ちゃんは私たちの後ろに座った。
そして何故かなんでなのか意味が分からないが斜め前には龍也と林檎が座っている。
あまり学校に通ったことのない私の記憶でも確か学校の先生はバスの前の方に乗っていたと思う。一体なんでこんな後ろの方に座っているのだろうか。
というかただ単純に自分の視界に龍也を映すのが嫌なのだ。考えないように普段通りにしようと思うのに龍也を見るといつもより意識してしまう。
龍也を見ると勝手に昨日のことが思い出されるのだ。


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