03


「おはようございます!今日はよろしくお願いします!」


「おはようございまーす」
「天音さん入りましたー」




久しぶりのテレビ収録。やっぱりこの空気が大好きだ。


「天音ちゃん久しぶりねー」
「お久しぶりです!」
「最近天音ちゃん見ないから心配していたのよー」
「えーそうなんですかー、大丈夫ですよー」


やっぱり仕事減らしてれことって分かるんだなー。


「HAYATOくん入りましたー」
「おはようございまーす」




今日の仕事はバラエティー番組の収録である。ゲストは私とHAYATOで、私は今度でるライブDVDの宣伝、HAYATOは今度出すCDの宣伝できている。
この番組には何度もお世話になっているから、今日の収録を楽しみにしていた。


「おはよーHAYATO」
「おはよー天音ちゃん、今日はよろしくにゃー?」




今まで、HAYATOのこのキャラに関して何かを思ったことはなかった。しかし、早乙女学園にいる一ノ瀬トキヤとしての姿を見てから、HAYATOのキャラのことを考えると思うところもある……。




「よろしくねーHAYATOー。今度の新曲楽しみだなー!」
「天音ちゃんにそう言ってもらえるなんて嬉しいにゃー」


本当に今までHAYATOに対して何も思わなかったけど、これは……。





「ふふっ、相変わらず天音ちゃんとHAYATOは仲良しねー」
「そうかにゃー?」
「二人とも似ているもんねー」
「似ていますか?」


……私HAYATOみたいなキャラだったけ?





「あ、性格とかじゃないわよ?小さいころからアイドルしていて、そういうところ似ているから、年齢関係なしに仲良しなのかなーって」
「なるほど……」



「スタンバイオッケーです!」


「はい!今行きます!今日はよろしくね、HAYATO」


HAYATOは私の方を向いて笑顔を見せ、セットへ向かった













なんのトラブルもなくテレビ収録は進んでいった







「そういえば、最近天音ちゃんとHAYATOくんのお仕事が減ったって噂されているのよー」


MCさん、そんな話するって台本にありましたか……?


「噂になっているんですかー?でも、自分でもお仕事最近してないなーって思います」
「何かあったんですか?体調とか悪いんですか?」


食いついてきたよ……。でも、ある程度はここで言っておいたほうが後々楽かもしれないな。


「体調は全然悪くはないんですが、最近学校に通い初めて」
「学校ですか!?」
「はい、短期のもので一年しかないんですけど。私、結構小さいころからお仕事をしていてあまり学校に行く機会がなくて。今年22になりますし、最後のチャンスかなって。最初は仕事との両立もできると思っていたんですが、結構難しくて……。」
「そうだったんですかー」
「はい。でも、今頭の中だけなんですが、次の企画も考えています!この間のライブも本当に楽しかったので!」
「ということは、両立は頑張るということですね」
「はい!よかったら応援してください!」


一つも嘘は言っていない。


「HAYATOくんは?」
「僕かにゃー?それはーひ、み、つ。秘密があったほうが大人ぽくないかにゃー?」
「それもそうね!というわけで、今回のゲストは来週ライブDVDを発売する天音ちゃんと……」














収録が終わってから私とHAYATOは呼びとめられた



「今日は台本にないこと言ってごめんねー」
「いえ、大丈夫ですよ!」
「そういえば、二人とも今度の土曜日暇じゃない?実は」







今度遊園地で何かをしないかという話だった。
なんでも、もともとは別のイベントを行うつもりだったが急遽キャンセルされ、誰か他に人がいないか探してるいるらしい。
HAYATOには今度新曲をだすからその発表の場に、私にはライブ以来歌を歌っていないのだから、この機会にというもの。
HAYATOと私は事務所に確認して後日連絡すると返した。




「お疲れ様でしたー。お先に失礼します!」
「お疲れ様ー」
「それじゃあ、後で連絡頼むよ!」




私とHAYATOは一緒にスタジオをあとにした。






prev next

back to top
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -