03


さーって、寮に帰るか……っと!!
私はある人物を見かけ、そいつを後ろから思い切りどついた


「いっ……誰だ、いきなりこんなことするやつは!!」


龍也は怖い顔をして私の方を見た。


「天音てめえ」
「ふーんだ」


こっちはペアなしだし、ピアノ弾かされたし、イライラしてんだよ!!


「なんだよ、不機嫌な顔して……俺なんかしたか?」
「べーつーにー?」
「なんもしてねぇんだったら、こんなことすんなよな……ったく」


私がどついた場所を龍也ははらっている。


「龍也は今から仕事?」
「ん?ああ、そうだけど?
そういや、天音お前何したんだ?」
「ん?」
「事務所中、天音が社長を怒らせる何かをして仕事を減らされたって噂になっているぞ?」


なぜ、そうなった……。


「別に、そんなことないよ!」
「なら、いいんだけどよ……なんかあんだったら言えよ?一応俺ら同期だし」


そう言って龍也は私の頭を撫でた


「お、おう」
「よし。
そういえば、今日スゲーやつに会ったぜ」
「ん?」
「俺、今早乙女学園で先生してんだけどさ、」
「へー、それで?」
「ある生徒に楽譜渡してピアノ弾かせたんだけど、そいつ勝手にアレンジしてさ、しかもそれなかなかにいい曲で。挑戦的で実力のある面白いやつが入ってきたなって」
「へ、へー。そっかーすごいなー。あははは……」


私ですね、はい。この話を、私にするってことはバレてないってことだな。てか、なんか、こう遠回しに褒められるのも嬉しいね。


「じゃあ、俺そろそろ時間だわ。じゃあな、天音」
「ん、ばいばい」
















ただいま、我が部屋よ。少し疲れた。
移動と着替えが大変。ばれそうで怖いなー。
私はベッドに転がった。
とりあえず蘭丸の曲考えて、あとQUARTET★NIGHTの曲も。誰がペアになるかは、決めてないけど。4人のなら今からでも作れるし。で、課題。これをすぐに取り掛からなきゃいけない。作曲して作詞して歌うとか……。なかなかに、めん、大変だなー。


「よっしゃがんばるぞ!」


私はパソコンと向き合った




コンコン




「響ー、いるー?」
「はーい。」


扉を開けると一十木くんがいた。


「どうしたんだ?」
「あのさ、俺に作詞のやり方教えてくれない?」
「作詞のやり方?また、なんで俺なんかに?」
「さっきまで皆に聞いていたんだけど、あんまりよくわかんなくて、他に知っている人っていったら響だけだから。」
「うーん、俺もあんまわかんねーけど、それでよければ。」
「ありがとう!響!」
「とりあえず、立ち話もあれだから部屋入れよ。」


作詞のやり方つってもなー。


「響、一人部屋なんだ?」
「おーなんか、たまたま一人部屋でさー」
「じゃあ、響が寂しくならないように俺たまに遊びにくるね!」
「お、おう、ありがとう」


「これ、課題の曲?」
「ん、あー……お、おう!!」


やばー!机の上に蘭丸に書いていた曲出しっぱなしにしていた!!……ま、大丈夫か。


「作詞のやり方だっけか?」
「うん。」
「作詞のやり方って多分いろいろあるとは思うんだけど、」
「うんうん。」
「いい曲だったら多分その曲に合った歌詞が勝手に思い浮かぶと思う。多分。あと、どういうテーマか考えたりするとか。
今自分が思っていることをそのまま書いたりとか?
うん、そうだ!作詞のコツは自分の考え、思い、そういうのをそのまま書くことだな!!」
「自分の考えと思いを、そのまま……。」

「あんま、アドバイスできてねーな、俺」
「そんなことないよ!なんか、すげーしっくりきた!!!」
「本当?」
「うん!ありがとう、響!!」
「役にたてたんだったら嬉しい。
そういえば、春歌ちゃん大丈夫か?ピアノが弾けなかったって話を聞いたんだが……。」
「あ、うん。なんかいろいろ周りに言われてて……。でも、七海今日一日中、図書館行って楽譜を読む勉強いっぱいしてて……!!」
「春歌ちゃん頑張っているんだ。」
「うん、だから俺も頑張ろうって」


「そういうのすげーよ。お互いが頑張り合えるそんな機会、なかなか経験できないよ」
「そ、そうかな……。」
「ああ、だから頑張れ!応援してる!」
「ありがとう、響。
そういえば翔から響は一人で全部するって話を聞いたんだけど、大丈夫?」
「おう、多分大丈夫。」
「俺にできることあったら言ってね?」
「おう!」
「それじゃあ、俺帰るね!響ありがとう!また来るね!」
「おう、じゃあな!おやすみ!」
「おやすみ!」


うんうん、一十木くんと春歌ちゃん。いいコンビかも!





prev next

back to top
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -