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レコーディングテストから開けて月曜日。今日はこの間のレコーディングテストの結果発表である


合格者の名前が張り出され、その隣には得点も書いてある。


あ、翔の名前だ。HAYATOのと、春歌ちゃん、友千香ちゃん、一十木くんの名前もある。で、私のはーっと……。あ、あった!おー、1番上。最高点か……。




「おい、最高点のヤツ一人で全部したらしいぞ」
「なにそれー」
「しかも、去年の優秀作品をクラスで弾くときアレンジしたらしく」
「天才?」
「てか、最高点なのはあれじゃね?一人でよく頑張りましたー的な?」
「そうだよねー全部できなんてないよねー」




……いらっ
怒鳴りつけたいけれど、面倒臭い。こんなこと言っているやつら構っている暇なんかない。ひがむ暇があれば努力しろっての




「合格者の名前はそこに張ってあるからねー」
「名前のねーやつは後日再試験をする。次は合格しろよ。」


「合格したアイドルコースの子たちは次のレッスンの資料をレッスン室まで取りに行ってねー」




「響ー!合格おめでとう」
「翔もおめでとう」
「にしても、すげーよな。最高点って。」
「あはは、一人だからひいきしてくれたらしいですよ?」
「……そういうの、あんま気にすんなよ?」
「ん?別に気にしてねーよ。とりあえずレッスン室に資料取りに行くかー」
「おう。」




「それと、Sクラスの響には話がある。とりあえず俺たちのところにこい」


「……らしいです」
「おっけ、とりあえず響の資料は俺が取ってくるな」
「頼む!」






「響って?」
「あの、最高点のやつ」
「なになに、直々に呼びだされるって」
「なんだろうな。」
「てか、あんまりパッとしないねー」




……うるさいな。








「響です」
「おう、来たな、とりあえずここは人が多いからな。空き部屋に行くか」





龍也と林檎のあとに続いている間私達を見てざわざわする人達がすごくうざったかった



















「それで、目立つようなことをして一体どんな用事ですか?」


これは正当なキレだと私は思う。


「ふふっ、ごめんなさいね。少し気になったところがあって、リューヤと貴方のこと調べたの」


「は、はあ。」


調べるって、何を?私の何を調べたの!?


「その結果がな」


なになに、ばれんの?私またばれんの?



「なーんにも出てこなくて」


……よっしゃ、社長ナイス


「へ、へえ、そうですか。」
「で、あのおっさんに聞いてみたんだが、お前のことなんも教えてくれなくてなー。」
「そうなのよー、どうして教えてくれないのかなーって気になったのよー。」


よし、社長がなんも言ってないんだったらボロがでないうちに退散しよう。


「そう、ですか。まあ、社長が何も言わないんだったら俺から言うことは何もないです。じゃあ、失礼し「お前が作った曲を聞いたとき、俺が好きなやつが作った曲を聞いたときと同じようなことを思ったんだ。」
「心をがしっと掴んで離さないそんな素敵な曲。」
「ね、「天音」」




「……?天音って、ダレデスカ、俺、イソガシイノデカエリマス」




「逃がさないわよー!!」



林檎が逃げようとする私の右腕を掴んだ


「ちょ、離してください、セクハラで訴えますよ」
「あら?男同士でセクハラなんてないでしょ?響くん?」


「とりあえずその帽子とカツラ取れ、林檎。」
「おい、待て、まじでさわんな。林檎いい加減にしろ!!」


成人男性の力に敵うことはなく私の帽子とウィッグは取られた。


「で、どういうことか説明してくれよ天音」
「……龍也も林檎もだいっきらい!!!これで二枚脱ぎだよ!?HAYATOと合わせたら三枚脱ぎ!?はー、終わった。私のアイドル人生終わった。」







私はこうなった経緯を林檎達に話した。








「……天音、大変ね」
「ったくあのおっさん、何考えてんだよ」
「林檎も龍也も嫌い。ばーか」
「悪かったってー。知らなかったのよ、天音が脱がなきゃいけなくなるなんて」
「だから仕事減らされていたんだな」
「そうですー、学校に通わなきゃいけないから減らされたんですー。悪いことなんて、なーんにもしてませんー。てか、私が天音じゃなかったらどうしたのさ?
「確信はあったんだけど証拠がなくてだな」
「そしたら、天音シャイニーのこと社長って言ったでしょ?それで行動したわけ!」


また、社長呼びしてばれるなんて……


「で、その確信ってなによ」

「貴女の作った曲がわからないほど私達バカじゃないわ」
「アレンジのときは元のイメージがあったから気づかなかったけど、お前が作った曲くらい分かるって」
「へー、ありがとう」


いや、なに、感謝の意を述べてんだ!?これのせいで露出しなきゃなんだよ?
でも、自分が作ったものをしっかりと分かってくれるなんて、そんな嬉しいことはない。


「にしても、困ったわね。」
「だな、さすがにプロの人間がいるってのもな」
「社長に言ってよ!」



「ま、なんにせよ。お前作曲家コースにうつれ」
「え?」
「アイドルコースだとこれからダンスレッスンが始まって、男子のはかなり激しいの」
「あと、服脱いだりする機会もあるし、そんなことあったらバレるだろ?」

「な、なるほど」

「とりあえず、これ以上お前が露出しないでいいように俺達もサポートするから」
「天音も頑張りなさい」


「……はーい。ありがとう」









私はウィッグをつけて帽子を被り、部屋をあとにした





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