繋いだ右手を忘れずに。 | ナノ


▼ 2つ

『あー...そういえば明日転校する日だ』

「え、どこ行くの!?まさか、ブクロ以外の学校に行くのか!? No name俺を置いて行かないでくれぇええぇぇ!!!!」

現在、ハンバーガーショップでお茶中。
そして目の前の金髪少年は、コーラが入った紙コップを音を立てて置く。

『お店の中で大きな声出さないの。それにコーラこぼれるよ?』

「ん、わり! No nameともう遊べないと思ったらつい」

『大丈夫、池袋からは出ないよ。私も正臣と遊べないの嫌だし...』


数日前、私の事をナンパしてきた金髪少年。
―紀田正臣

あの後、結局お茶をしにカフェに入って色々とお話しました。
もちろんカフェ代は正臣の奢りでね。

年齢は思いの外私と同じらしく、来良学園というところに通っているらしい。

あれ以来、正臣とよく遊ぶようになり今日も誘われ遊んでいる。

彼と遊ぶのは意外にも楽しかった。
学校は違くとも二人が忙しくないときは毎日のように遊んでいるし、友達みたいなものだ。
いや、友達なんだけれども。

「そんで、どこ行くの?」

チーズバーガーを頬張りながら、正臣が聞いてくる。

『ん?来良行くことにした。正臣と同じところ!今行ってる所、つまらないから』

私もナゲットを口に放り込む。

『来良に行っても仲良くしてくださいな!!よろしくね?』

そう言って、正臣に笑顔を向けると目を大きく開いて満面の笑みを浮かべていた。

「もちろん!!俺、明日からすっげぇ楽しみ!!!」

と言って、彼はクシャっと笑った。


その笑顔が眩しくて、素敵だった




『どこのクラスになるんだろー』

「それはもちろん、俺のクラスだろ!!!」

『いやいや、君は決められないから』



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