繋いだ右手を忘れずに。 | ナノ


▼ 3つ



あの後、ハンバーガーショップを出て60階通りにあるゲームセンターに来た。

『うわぁ...!正臣上手だね、どこで覚えたの?』

UFOキャッチャーを目の前にして彼は、余裕で景品を取っていく。
既に5個以上取っており正直お店が赤字にならないか心配なところ。

「んー...?ガキん頃から遊んでいるからなー。そのうちにコツとか覚えちまったんだろうな...っと!はい」

こやつ、私と話しながらでも取れるのか...
どれだけ遊んでいたんだか。

渡された景品を受け取りつつそう思った。

『そういや、前にチラッと聞いた関わっちゃいけない人ってさ、どういう類の人なの?』

「あー...まぁたくさんいるけど...」

何故か言葉を濁す言い方をする彼。
そんなに言いにくいのか。

「その内の一人が、この俺だなっ!!!」

ニッと笑って自分を親指で指す。

何言ってんだか。
関わってきたのは自分だろ...。

『はぁ』

とため息をつくと

「え!?なんでため息つくんだよ!!!俺はデンジャーな男だぜ?」

と騒ぐ正臣。

『いやいやいや、関わってきたのは正臣からでしょ?なのに危険だなんて可笑しい』

ふふっと笑い交じりに言うと、正臣もケラケラと笑い返してきた。

「確かにそうだな」

『それで、真面目な話結局どういう人が危ないわけ?』

ちょっと真剣な顔で聞くと正臣の方も少し真剣になった。

「そうだな...あまりNo nameには関わってほしくないんだけどな」

うーんっと唸り天井を見上げ考え込む正臣。
そんなに考え込むような事だろうか?

『え、そんなにたくさんいるの!?なら、強いてでいいよ。強いて言うなら誰?』

ほんの少しの沈黙。
正臣はゆっくり口を開け、こう言った。

“折原臨也”


君の目には何も映していなかった。




(正...臣....?)

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