非日常を求めて | ナノ


▼ バグ

いつもと変わらぬ同じ日々を絶賛繰返し中なう!
正直つまらない
私は今日も呟く。

“デュラの世界にトリップしたい”

毎日毎日呟く。
呟いても日々は変わらず 世界は私の想いに応えてはくれない。
つまらないや。


そして授業は終わり、今日は部活がないので今は帰り支度をしているところ。
早く帰りたい こんな場所に居たくなんかない。

「早く帰ってくんないかなぁ〜」
「ホント、ぼっちだよね」
「ガチで友達いないんじゃね?」

うっせぇよ、いつかあんたらもぼっちになるっつーの
自分でも思うがホント口悪いな、私。
てゆうか、言われる前に早く帰りたいから。

そんなことを思ている私にまた声が向けられた。

「ねぇ、一緒に帰ろっ! 私も、今日部活ないし!」

また偽善者か。
いい加減そんな言葉向けないでよ 離れていくんだから。

『んー、ゴメンね。今日はちょぉーっと急いでいるから、また今度一緒に帰ろ』

作り笑いで誘いを断った。

「うわ、可哀そー。ぼっちなのを救ってるのに断られちゃって」

あんたらは黙ってろ 部外者は必要ない。

「あぁ、そうなんだ!んじゃ、またね忍音ちゃん!」

『うん、また明日』

“また明日”
そんな日常と離れる時がくることなど今の私には知る由もなかった。

帰りの誘いを断って、ぼっちで帰る私。
だから、人が離れていくのかな? そんなことを考える時もある。



<池袋〜。池袋、です>

考え事をしていたらいつの間にか駅に着いていた。

池袋キタ―――――!!
デュラの聖地ですよっ!! 標識か自販機飛んでないかな〜

ないことを思いながら池袋の街を歩く。
私の家は池袋駅からちょっと離れたとこにある。

毎日池袋の街を歩いて、何も変わらないのにどうしても同じことを思ってしまう。
だからこの街だけは嫌いになれなかった。
ある一部を除いて。

その一部は池袋の日常。
本当に日常過ぎてつまらないったらありゃしない。
その部分が非日常とかになれば一層のこと好きになる。

家に着き、着替えつつもパソコンの電源を入れる。
起動が終わって普通ならディスクトップにいくはずの画面が出てこない。

可笑しいな? バグった?

画面は真っ暗。
次の瞬間、パソコンから〈ピー〉という機械音が流れてくる。
とうとうバグってしまったらしい。
画面を見つめると見覚えのある言葉が浮かんでいた。

“一緒に逝きましょう!”

そう、デュラの自殺オフの書き込み。

なんでこんなとこに出ているのかな、一応 画面をスクロールしていくとHNと逝きたい理由などが書き込めるようになっている。

はは...まさか、ねぇ?

恐怖と楽しみが混合されて感情が乱される。
怖い。怖いけど何かが起きる。
起きそうではない、起きる。

結局、楽しみの期待に負け書き込み欄に“狂壊”というHNを名乗って理由も書き込んだ。

楽しみだなぁ楽しみだなぁ楽しみだなぁ!
私、臨也みたいだなw

心のどこかでそう思う。

ん〜、臨也には会いたくもないけどなぁ。
あぁ!シズちゃん早く会いたいよ!
待っててね、非日常!!

非日常に対する色々な思いが浮かんでくる。

すると、パソコンがまた鳴った。
でも、さっきの機械音とは違ってメールが来たときの音。

画面に目を移すとメールが来ていた。
用件は、自殺オフをする日にちと時間 それから場所が書かれたメールだった。

メールが来た相手は“奈倉”
そう、臨也のHN。

てゆか、この日にち今日じゃない!?
早く準備しなきゃ!

私は部屋着から着替え常備品を身に着け家を出た。

さようなら日常、こんにちは非日常これからよろしくね。

そう世界に呟き街に出た。

街にはこれと言って変わりはなかった。

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