非日常を求めて | ナノ


▼ プロローグ

いつも通りの日常 いつも通りの風景 いつも通りの人々。
何も変わらない“日常”
そんな毎日が嫌いだ。
一つでもいいから、面白いことがこの世界で この街で、この日常で、起きてほしい。
それが私のただ一つの願い。

私、歪楽忍音は歪んでいる。
強いて言えばデュラに依存し過ぎて歪んでしまった。

友達と呼べる友達は数少ないと思う。
自分曰く、ね。
友達ができたとしても、すぐに離れて行ってしまう。みんなそう。
長くて、学期が終わるぐらい。

そんな私に「一緒に帰ろう!」とか「お昼、一緒に行こう!」などの声が向けられる。
偽善者の声。
そんなのいらない。どうせすぐに離れて行ってしまうんだから。
そんな声を向けるなら、最後まで最期まで一緒にいてよ...。

私は捨てられては拾われを繰り返していく(私の解釈で)
今回もそう。

今いるグループは心地悪くもないし、良くもない。普通ってとこかな?
そこで過ごしている日々も普通。
でも、周りの目線が痛い。
痛いほどに突き刺さってきて居心地が時々悪くなる。

「うわー、友達がいないからってあの子たちにまで手だしてるしー」

五月蝿い、黙れ。
そんな言葉を言うならば最初っから一緒に居てよ...。
嫌いなら裏で悪口を言わないで面と向かって言って。


何時しか私は、人を信用できなくなっていた。
この世界を。この街を。この日常を。

私は何なら信用できるの?何なら愛せるの?

答えは一つ。

“非日常”

それだけ。

そんな日々があるのは、2次元。

“デュラの世界にトリップしたい”

いつの間にかこんなことを思うようになっていた
この次元(セカイ)なら、この日常なら、この街なら...

“愛せる”

だからこそ、この日常を捨てて2次元に愛を注いだ。
2次元の“デュラララ!!”に依存した。

オタク?
そんな言葉なんて知らない。
別にオタクだろうが腐女子だろうがなんだっていいじゃないか。
私は私だ。


小学校の頃から人と上手く付き合えないことがわかってきた。
中学に入るとき、昔の自分は捨てて新しい自分として変わろうと思った。
だから、みんなと違う中学に入った。
小学校の時に苛めていたヤツらなんて知らない
忘れたかったんだと思う。

そんな私の想いを親は知らない。
いつも通り接すればそりゃ、わからないだろう
だってこんな思い知られたくないし、知られたらしつこく聞いたり心配してくるだろう。
それが嫌だった。


トリップしたい
トリップしたいトリップしたいトリップしたい
トリップしたいトリップしたい
トリップしたいトリップしたいデュラの世界にトリップしたい

私の想いはだんだんとだんだんと積もる

トリップしたいトリップしたいトリップしたいトリップしたい
トリップしたいトリップしたいトリップしたいトリップしたい
トリップしたいトリップしたいトリップしたいトリップしたい
トリップしたいトリップしたいトリップしたいトリップしたい
トリップしたいトリップしたいトリップしたいトリップしたい

だんだんとだんだんと。

誰か、トリップの仕方を教えてくれませんか?
私は今ならあの次元(セカイ)を、あの街を、

“愛せそうです”

そうしたらあの次元(セカイ)は私のことを受け入れてくれますか?
私の想いを聞いてもらえますか?
最期まで傍にいてくれますか?
こんな私を、見捨てないでいてくれますか?

誰にも届かないこの思い。

この世界は私の想いに応えず同じことを繰り返していく。

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