長編、企画 | ナノ

影山飛雄



『影山は…コレだっ!』
「ッス。あざす。」

一際大きめの紙袋を渡され、影山が真剣な顔で頭をさげた。
また何かの勝負事だと勘違いしてるんじゃないだろうか。

ずるりと中から出てきたのは、傘の形をしたひとつ目の着ぐるみ。
目のところから顔を出すようだ。


「あはははははは」
「ぷっ。影山、お前…。」
「……。」
「か、唐笠お化け…!」

遠慮なしに冷めた顔で笑う月島と反対に小さくふきだす日向。
それに対して無言でギロリと睨み付ける影山は、まるで妖怪のようだ。
山口が呟いた声に跳子が「山口、正解!」とニッコリ笑った。

『影山!一本足だからすっごい足腰鍛えられるよ!』
「!!」

跳子の一言で影山が急に顔を赤くして、足元をぴょんぴょんと跳ねさせた。
興奮した様子で鼻息を荒くする。

「た、確かに…!跳子さんあざす!!」
『ん!』
「っいいなぁ!影山ズルいぞ!」

途端に羨ましそうにする日向と言い争いを始めた二人を見て、山口と月島が呆れた表情を見せた。

「…それでいいんだ。」
「本当にバカだよね。」
「俺、自分の番が怖いよツッキー…。」
「……。」


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