モラリストの肖像

「あっ!名前じゃん久しぶりー!」
「わ茄子じゃん。何か用?あれ、唐瓜も!」
「おー久しぶりだな」

衆合地獄にてせっせと亡者の拷問をしていると、一緒の学校で学び、共に就職をした友人、茄子が来た。
同じく友人の唐瓜によるとこいつは社会に出た今も相変わらずらしい。
まあ、衆合にいる私にもたまにこいつのミスが私の耳にも入ってくる時がある。
けど、茄子にはこの前の地獄芸術コンテストの全部門で金賞を受賞するという前人未到の快挙を成し遂げた程の素晴らしい芸術の才がある。昔はこいつの将来を唐瓜と共に悩んだものだ。
最近は仕事と芸術を何とか両立できてるみたいだから、ちょっとは成長したということかな。

「前にさー唐瓜と虎のパンツの歌の話してたんだけどなー」

あれ、やっぱ学校の時と変わってねーや。

「ああ、あの販促ソングに見せかけた鉄道ソングね。あのパンツ、ほんとに男子が着てたら上半身裸だし生足だよね。」
「女子も相当露出するよな。へへ…」

こいつ何か変な想像してない?あ、でもイケメンの虎のパンツ姿は見てみたい。
ほ、鬼灯様とか?

「………………………」

妄想し、結論。

「鼻血出そう……………」
「大丈夫か?」
「おう…」

私の変態馬鹿め。身をわきまえよう、でも妄想は自由だよね!
あー、細いけど筋肉質なんだろうなあ。多分脚綺麗だよね。ていうかあの方が綺麗じゃないわけがない!
茄子と唐瓜も………悪くないんじゃない?うん、可愛いと思う。

「ちょっと、そこの貴女。」
「虎パンツ………イイ………」
「唐瓜さん、この方重度のアレですか」
「…まあわりとしょっちゅう」
「……へ、うわっ鬼灯様!」

ぎゃあああああああ今の見られた!!?

「……………虎のパンツ、好きなんですか?」

ひいいいいいいばっちり聞かれてたあああああ

「好きなら穿いてあげましょうか?」
「「「えっ」」」


……………………っえ、どんなご褒美ですかそれは!!
部下へのサービスが過ぎますよでもとりあえず穿いてくださるんなら携帯とPCとデジカメに最低30枚ずつはそんな鬼灯様を保存しますけどね!?

「い、いいんですか?」

よだれ出そう。あ、やべ出かけた。…つか冗談だよね、部下をやる気にさせる方法の一つというかさ、別にそんな期待なんてしてないんだから!ちょっと聞いてみただけなんだから!

「はい」
「いよっっしゃァァ!!」
「十一時に私の部屋に来なさい」
「承知致しました閣下ァ!」

十一時!あと何時間!?七時間ちょい!
おっしゃああ頑張るぞ、おらそこの亡者逃げてんじゃねえ!!

勤務後、十一時きっかり部屋に行った時何が待ち受けていたかなんて、この時の浮かれに浮かれまくっていた私には気付く由もないのでした………。

title:恋をしに行く 

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