亡骸とランデブー
ああ、そんなに怯えなくて良いでしょう
ずっと貴女を見ていたのですよ。
明るい貴女、いつも笑顔に囲まれて幸せに育ってきた貴女。
「名前さん」
鬼灯は女を逃さなかった。恐怖で笑顔なんてものはとうに消えうせており、膝だけが音を立てそうなくらい震えている。
「あちらで私と暮らしましょう」
横に振られる首を押さえ込んで彼女の口に強引に自分の舌をねじ込んだ。恍惚としている表情と恐怖する表情は色も何もかもが真逆で異様な光景だった。
腰が抜けて立てなくなったのを見計らい、鬼灯は金棒を振りかざす。
「私がいますので、心配しなくても大丈夫ですよ」
嗚呼、金棒から滴る血さえも愛しい。
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