「…父の愚行を諌めるのは―――――」

「息子の役割って? …愚かしいわ、リューナート司教」

リューナートの言葉を、ミアリは切り捨てる。

「人は生まれおちたら、ただひとりよ。それは星が流れ落ちるのに似て」

砂塵が巻き起こる地で相対した時のように、どこか冷たく彼の名を呼ぶ。

「未来永劫、それは変わらない。歓喜と孤独を叫ぶために、人は産声を上げるのよ。…親も子も、それ以後に培われるものだわ。そしてそれはとても愛しいものよ」

土台もないあなたに、何ができるというの。

真っ向から切り込んでくる少女の瞳は―――。
いつも鮮やかだ。
兄がたじろいだのも頷けるほどに。


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