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エスタシオン「……面白そうな方々ですね。遠目に見ていても楽しい雰囲気が伝わってきますねえ」
マルタン「ええ、そうですね。しかし…このお茶はあなたが? 変わった味ですね」
エスタシオン「そうですか? ああ…確かにあなたの世界ではあまり見ない類のお茶かもしれませんね。私の故郷のお茶なのですよ。元が薬湯でして、体の疲れを解す効果もあるといわれています」
マルタン「なるほど…。ん? 向こうから誰かが――…ああ、リュックか」
リュック「リュックか、じゃないぜ全く! あんたら二人だけいつの間にかいなくなってると思って心配して探したら別室で優雅にお茶かよ!」
クロワ「仕方ないわよ。ここの所ずっと歩き詰めだったから」
エスタシオン「すみませんね、私が誘ったんです。宜しければお二方もお茶を如何です?」
シエラ「お と う さ ん…?」
エスタシオン「おや……早くも見つかってしまいましたか」
シエラ「もう。今回はサボらないって言ってたでしょ? マルタンさんまで巻き込んで…」
エスタシオン「すみません、どうかお許しを。今戻ります。…ああ、マルタンさんたちはどうかゆっくりしていて下さいね。私は向こうで少し挨拶してきます」
シエラ「ごめんなさいね、皆さん。それじゃ私も向こうに…」
シェーナ「あ、姉さん。ここにいたのね」
シエラ「あら、シェーナ。向こうは大丈夫なの?」
シェーナ「うん。簡単なお菓子は準備してあったし、ルーアンとアズロが粗方運んでくれてるから」
シエラ「……お酒は、入れていないわよね?」
シェーナ「入れてないよ? ルーアンとアズロに止められたから。お祝いと応援な座談会なのに、一部を除いた皆さんを倒れさせちゃだめだからって。……美味しいのに、ねえ?」
シエラ「……(この子、とってもしっかりしてるのにお酒に関することになると…)」
シェーナ「それじゃあ、私はちょっとこっちにいるね。何かあったら呼んで」
シエラ「ええ、わかったわ。じゃあ、また」
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