ルカの赤い箱…お礼企画 | ナノ







(何?どうなってるの…?)



部屋の中は、私が想像していたものとはまるで違ってた。
暗く静まり返った部屋の中に、母親のすすり泣く声だけが、悲しく響く…



「……ロザリー…どうして……」



消え入りそうな声で放たれたその言葉の意味が、私にはまるでわからなかった。



(どういうことなの?
なぜ、ロザリーのお母さんはあんなに泣いてるの?
それに、ロザリーはどこに?)



狭い家のなかを見てまわると、奥の部屋にロザリーの弟が眠ってた。
その向かいにあるベッドは空で、ロザリーは他のどの部屋にもいない。



(やっぱりいないわ…
ロザリーはどこ?
それに、お父さんもいない…)



「ミト…こんな所でなにをしているんだ?」

不意に聞こえた声に、私が驚いて振り返ると、そこには指導師のアルヴィル様の姿があった。



「ア、アルヴィル様…なぜ、ここに…!?」

「ミト…それは私の台詞ですよ。
とりあえず、ここではなんですから……戻りましょう。」

「あ……」

アルヴィル様に腕を掴まれた瞬間、私は何かを言う暇もなく天界に戻されていた。


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